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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

慢性混乱に関する看護計画|アルツハイマー型認知症の患者さん

  • 公開日: 2025/11/20

アルツハイマー型認知症で注意力が低下している患者さんに関する看護計画

 認知症は記憶や思考などの認知機能の低下に加えて活動性の低下もみられて日常生活に支障をきたす疾患です。脳の活動低下に伴い、注意力が低下することもあるため、今回はアルツハイマー型認知症で注意力が低下している患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 認知機能を評価するスケールや画像などから、患者さんの認知症の程度を把握する。日常生活の様子などから、見当識・理解力・判断力について確認して、普段混乱することがどれくらいあるのかを確認する。

援助計画 T-P 患者さんの状態に合わせて、日常生活が送れるように、環境を整え、支援する。日中の活動量を増やし、夜間に睡眠を取るように生活リズムを整える。

教育計画 E-P 患者さんが不安に感じていたり、混乱している様子があれば、伝わりやすい言葉で説明する。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

認知機能低下により、見当識・理解力・判断力に混乱がみられる

看護目標

混乱が軽減され、安定して日常生活を送ることができる

観察計画 O-P

客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
見当織の推移
日々の表情、言動の様子
食事や飲水摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)

援助計画 T-P

認知機能、注意力に応じた生活の支援を検討する
ADLや注意力を踏まえて生活様式を検討する
日中の活動と夜間の睡眠のリズムが作れるように支援する
不安や疑問がある場合は混乱が生じないように対応していく
必要に合わせて社会資源の導入を検討する
必要に応じて医師の指示に基づく薬剤を使用する

教育計画 E-P

混乱が生じないように疑問や不安があれば理解しやすい言葉で説明する
疑問や不安などはいつでも相談できることを説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

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慢性混乱


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