病識が乏しい患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/7/27
肺炎で酸素投与が必要だが認知症で病識が乏しい患者さんに関する看護計画
認知症の患者さんは、認知機能の低下や活動性の低下が徐々に進行していき日常生活に支障をきたすようになります。認知機能の低下により病識が乏しく、入院環境に馴染めない場合が時折生じます。今回は肺炎に伴い酸素投与が必要ですが、認知症で病識が乏しく酸素を外してしまう患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの認知機能についてスケールを用いて確認する。データなどから、肺炎の状態を把握しつつ、日常生活の状態について観察する。
援助計画 T-P 酸素投与のデバイスや輸液のルートなどが視界に入ると、外してしまう可能性があるため、できるだけ、患者さんの視界に入らないような工夫を考える。
教育計画 E-P 早酸素投与の必要性を説明する。必要事項を繰り返し説明して理解を促す。そのほか、日常生活で困っていることや不安なことがあれば、いつでも話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
酸素投与を外して呼吸困難が生じる
看護目標
肺炎がよくなり、酸素を外しても呼吸困難が生じない
観察計画 O-P
肺炎の治療経過
呼吸状態(呼吸回数、様式、喀痰の有無など)
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
運動障害や感覚障害の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
リハビリの進捗状況
食事摂取状況
内服状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRI、胸部X線、CTなど)
援助計画 T-P
酸素投与デバイスが可能な範囲で患者に見えないように環境を整える
点滴刺入部や点滴ルートが患者に見えないように調整する
患者のADLに応じて介助の方法を検討する
医師の指示に基づく酸素投与を行う
教育計画 E-P
適宜、酸素投与の必要性について説明する
入院生活で必要なことを繰り返し説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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