服薬コンプライアンスが低下した患者さんに関する看護計画|認知症により認知機能が低下している患者さん
- 公開日: 2024/10/31
認知機能が低下して服薬コンプライアンスが低下した患者さんに関する看護計画
認知症は脳の機能障害によって日常生活に支障をきたす疾患です。記憶障害や失行、失認など認知機能が低下することも知られており、服薬コンプライアンスに影響することも考えられます。そのため、今回は認知症で認知機能が低下しており内服コンプラアンスが低下した患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 認知症の程度、全身状態や日常生活動作で支障が出ているものはあるか確認する。認知機能だけでなく、意識レベルや嚥下機能の推移、薬剤を準備する等の動作に支障はないか観察して把握する。薬剤を服用できるようにする際に、家族の協力は得られるのか確認しておく。
援助計画 T-P 服薬コンプライアンスが低下している要因が認知機能の低下なのか、運動障害や嚥下障害、巧緻動作ができなくなっているためなのかを検討し、患者さんの状態に合った方法を考える。認知機能の低下が要因である場合は、常に見えるところに薬剤をおいておく、家族に協力してもらうなどの工夫を提案してみる。
教育計画 E-P 患者さんと家族に服薬の必要性を伝え、必要であれば社会資源を使用できることも話す。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
患者自身で薬の内服が困難になっている
看護目標
患者の生活に合わせた薬の内服環境を整えることができる
観察計画 O-P
意識レベルの推移
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
運動障害、感覚障害の有無、程度
嚥下障害、構音障害などの有無、程度
巧緻動作の状況
日中の活動状況
療養環境
家族の思い、考え
家族の協力状況
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
睡眠状況
画像データ(CT、MRIなど)
援助計画 T-P
薬の内服を促すための視覚的な工夫を検討する
ADLを考慮した療養環境を調整する
必要に応じて補助具の使用を検討する
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
疾患について患者や家族へ説明する
内服の必要性を適宜説明する
必要に応じて社会資源の活用などを説明する
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