トイレ誘導に関する看護計画|誤嚥性肺炎治療中の認知症のある患者さん
- 公開日: 2023/12/22
誤嚥性肺炎の治療中にトイレ誘導を行う認知症がある患者さんに関する看護計画
認知症は認知機能の低下に加えて活動性の低下や嚥下機能低下といった日常生活に支障をきたす症状も見られる疾患で、血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型、前頭側頭型といった原因があります。今回は認知症の進行に伴い嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎が生じてしまった患者さんに対してトイレ誘導する際の看護計画を考えました。
観察計画 O-P 誤嚥性肺炎の症状の確認、認知症の程度の確認を行う。トイレ誘導の際にどの程度の介助が必要となるのか歩行や座位が取れるかを確認する。嚥下機能の程度も把握し、リハビリに役立てる。
援助計画 T-P 患者さんの状態に合わせて、できるだけ患者さん自身で行えるようなやり方を考えたり、環境を整えたりして援助する。
教育計画 E-P 患者さんができることは自分でやれるようにする必要性を説明する。転倒転落のリスクについても伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
認知症に伴う転倒リスクがある
看護目標
転倒することなくトイレに行くことができる
観察計画 O-P
呼吸状態
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
筋力低下や感覚鈍麻の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
歩行状態や立位、座位姿勢の状況
リハビリの進捗状況
内服状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)
援助計画 T-P
患者の呼吸状態に合わせた移動方法を検討する
患者のADLに応じて介助の方法を検討する
可能な範囲で患者自身でも行えるように環境を整える
必要に応じて医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
適宜、転倒リスクについて説明する
ADLの低下に繋がらないように患者自身でも可能な範囲で行えるように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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