慢性心不全の増悪で入院した患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/7/29
慢性心不全の増悪で入院した患者さんに関する看護計画
心不全とは心臓に器質的、機能的異常が生じて心臓のポンプ機能の代償機転が破綻してさまざまな症状が出現し、運動耐容能が低下する症候群とされています。慢性心不全では、全身倦怠感、呼吸困難感、食欲不振や浮腫などの症状が見られ、日常生活に関連して増悪することがあります。今回は慢性心不全の増悪で入院した患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 増悪のリスクを軽減するために、患者さんの日常生活における増悪のリスクとなるものがないかを確認する。患者さんだけでなく、家族からも話を聞く。呼吸困難感など、現在の症状について把握する。
援助計画 T-P 増悪のリスクとなる生活習慣の改善を提案する。また、心不全の治療について納得して取り組めるよう環境を整える。患者さんだけでなく、家族にも治療や予防に関する知識を提供する。
教育計画 E-P 慢性心不全の増悪の要因について、しっかりと説明する。不安なことがあれば、いつでも話してほしいと伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
心不全の増悪で入院している
看護目標
心不全を自分なりにコントロールして生活できる
観察計画 O-P
自覚症状の有無、程度
現在の生活に対する認識、理解(水分制限、塩分制限など)
リスク因子に対する認識、理解
疾患に対する認識、理解
薬の管理状況(患者自身あるいは家族)
家族の疾患に対する認識、理解
家族の協力状況
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、BNPなど)
画像データ(心エコー、胸部X線など)
援助計画 T-P
必要な治療に対して理解を促す
ADLやセルフケア能力を踏まえて今後の生活習慣の改善を促す
患者や家族に生活の変容について必要な知識を提供する
必要に応じて医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
慢性心不全の増悪の要因について説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
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