夜間せん妄を発症した若年患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/7/30
夜間せん妄を発症した若年患者さんに関する看護計画
せん妄は興奮、攻撃性、幻覚などが見られる過活動型と、傾眠や抑うつ状態を呈する低活動型とそれらが混在している混合型があります。さまざまな要因が重なって生じるため若年患者さんでも生じる可能性があります。今回は肺炎の治療中に夜間せん妄を発症した若年患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 肺炎の治療状況、全身状態を把握する。せん妄のリスク因子について確認する。せん妄の促進因子(誘発因子)に当てはまるものが、患者さんにあるかどうかも把握する。患者さんの呼吸状態やADLに応じた離床方法を検討する。
援助計画 T-P せん妄のスクリーニングツールを用いて、継続的に評価を行う。肺炎の症状に合わせてケアを行う。環境の整備とともに、状況が把握できるようカレンダーの設置やメガネなどの補助具も必要であれば準備する。離床を行い日中と夜間のリズムをつくようにする。
教育計画 E-P 治療等、現在の状況を説明する。不安なことがあれば、話してほしいと伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肺炎による発熱や呼吸困難感から夜間にせん妄が生じている
看護目標
肺炎がよくなり、せん妄が生じずに生活することができる
観察計画 O-P
意識レベルの推移
呼吸状態(呼吸回数、呼吸様式、補助呼吸筋の使用など)
酸素投与量の推移
咳嗽、喀痰の有無、性状、程度
呼吸困難感の有無、程度
日中の活動状況
睡眠状況
喫煙歴
検査データ(Alb、TP、WBC、CRP、血液ガスなど)
画像データ(胸部X線、胸部CTなど)
援助計画 T-P
意識レベルやせん妄スクリーニングツールの評価を継続的に行う
呼吸困難感や随伴症状を継続的に評価して介入を検討する
カレンダーや補聴器やメガネなど、患者の状態に合わせて補助具の使用を検討する
呼吸状態やADLに応じて適宜離床を行う
状態に合わせて、医師の指示に基づく酸素投与、薬剤を使用する
教育計画 E-P
現在の状況を適宜説明する
酸素療法の必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
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せん妄発生時に行われるのはどんな治療?
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