脱水が生じた患者さんの看護計画
- 公開日: 2023/11/30
認知症による体動困難から脱水が生じた患者さんに関する看護計画
認知症は脳の活動低下が生じてさまざまな症状をきたすことで社会生活に支障が生じていきます。その中には嚥下障害やADL低下が見られるようになり、自分では飲食が困難になっていきます。今回は入院中に認知症で体動困難から脱水を生じた患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの認知症の状態を客観的に評価する。認知症の症状がどの程度、日常生活に影響しているかを把握する。脱水の症状が見られるので、現在の食事量や飲水量のほか、脱水の症状についても確認しておく。
援助計画 T-P 脱水の症状が出ているので、In-Outバランスを随時確認する。水分摂取が行えるよう食事形態も含めて環境を見直す。リハビリが必要であれば、実施する。
教育計画 E-P 水分摂取の必要性について患者さん、家族に伝える。食事に関しても必要があれば、適した形態や方法などを説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
認知症によって自分で飲食が十分にできない
看護目標
脱水を生じることなく生活することができる
観察計画 O-P
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
現在のADL
食事や飲水の摂取状況
口渇感の有無、程度
皮膚の乾燥、ツルゴール
嚥下状態
食事形態(とろみ、水分量など)
排泄状況
In-Outバランス、体重の推移
薬剤の使用状況
検査データ(Alb、TP、Cr、BUNなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)
援助計画 T-P
尿量や脈拍の推移を確認する
輸液の投与速度を適切に管理する
ADLや症状に合わせて食事や飲水の摂取を促す
適宜、食事形態や飲食時の環境を整える
ADLや嚥下状態に合わせたリハビリの導入を検討する
教育計画 E-P
患者本人や家族へ水分摂取の必要性を説明する
患者本人や家族へ嚥下状態に合わせた食事方法を説明する
家族へ食事や飲水時に適した姿勢について説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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