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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

食事介助に関する看護計画|嚥下機能が低下してきている認知症患者さん

  • 公開日: 2023/11/29

認知症による嚥下機能低下から食事介助が必要な患者さんに関する看護計画

 認知症は血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型などの原因によって病状の進行度合いは異なるものの、脳の活動低下に伴うさまざまな症状が発症し社会生活に支障が生じていきます。今回は認知症の進行に伴い嚥下機能が低下したことによって食事介助が必要になった患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 患者さんの認知症の状態を客観的に評価する。嚥下時の患者さんの動きや食事の形態について確認する。嚥下時の状態は、患者さんの姿勢、口唇や舌の動きなども確認する。栄養状態についても確認しておく。

援助計画 T-P 食事の際の姿勢や職形態などを含めて環境を整える。患者さんが食べやすいように食事介助を行う。必要に応じてリハビリを実施する。口内環境を整えるためだけでなく、嚥下訓練の意味も含めて口腔ケアを行う。

教育計画 E-P 患者さんと家族に適した食事形態や食事の方法について説明する。口内環境を整えるために口腔ケアの必要性を伝える。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

嚥下機能の低下から自分で食事が摂取できない

看護目標

誤嚥を起こすことなく食事することができる

観察計画 O-P

客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
食事や飲水摂取状況
嚥下状態
食事摂取時の姿勢
口唇や舌の動き
食事摂取時の動作
食事形態(とろみ、水分量など)
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)

援助計画 T-P

患者のADLに合わせた食事介助を行う
食事に適したポジショニングを検討する
適宜、食事形態や食事環境を整える
必要時、口腔ケアを行う
嚥下状態に合わせたリハビリの導入を検討する

教育計画 E-P

患者本人や家族へ嚥下状態に合わせた食事方法を説明する
家族へ食事に適した姿勢について説明する
家族へ口腔ケアの必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

看護記事を書くときに参考にしたい記事

食事介助の看護|観察項目・注意点・手順
摂食嚥下障害の看護|原因、検査、摂食嚥下リハビリテーション(嚥下訓練)、看護計画
第10回 摂食嚥下障害の臨床Q&A 「ムセがあったり誤嚥のおそれがある患者さんの食事時の姿勢は?」


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