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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

加齢による誤嚥リスクがある患者さんに関する看護計画

  • 公開日: 2025/5/22

加齢による誤嚥リスクがある患者さんに関する看護計画

 加齢によって細胞数の減少や機能が低下することでさまざまな身体機能が低下し、日常生活に影響が出てくるようになることがあります。筋力の低下や唾液の減少、嚥下反射の低下などにより誤嚥のリスクが生じることもあります。今回は加齢による誤嚥リスクがある患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 認知機能や口腔内の環境も含めて患者さんの嚥下機能を評価し、リスクの程度を把握する。現在の食形態を確認する。自分で食事が食べられるか、介助が必要か確認する。

援助計画 T-P 誤嚥しにくい姿勢で食事するようにし、必要に応じて食事の介助を行う。口腔内の環境など、改善できるものに対してケアを実施する。今後、どのようにしていくとよいかを検討する。

教育計画 E-P 食事形態や誤嚥について説明する。口腔ケアの必要性について伝える。不安なことがあれば、いつでも話してもらえるように働きかける。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

加齢による身体機能低下で誤嚥のリスクがある

看護目標

誤嚥が生じることなく生活することができる

観察計画 O-P

普段のADL
嚥下機能
咳嗽の有無、程度
認知機能
口腔環境
運動機能や感覚機能の状況
食事や飲水摂取状況
食事形態(とろみ、形など)
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)

援助計画 T-P

患者のADLに合わせた食事介助を行う
嚥下機能に応じた食事形態や食事環境を整える
必要時、口腔ケアを行う
嚥下状態に合わせたリハビリの導入を検討する
ADLや嚥下状況を踏まえて今後の生活様式を検討する

教育計画 E-P

ADLや嚥下状態に合わせた食事方法を説明する
口腔ケアの必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

第4回 誤嚥と誤嚥性肺炎の予防―不顕性誤嚥を例に
【誤嚥性肺炎を予防】摂食・嚥下障害の観察・ケアのポイント
誤嚥性肺炎の患者さんのリスク因子評価と予防
第10回 摂食嚥下障害の臨床Q&A 「ムセがあったり誤嚥のおそれがある患者さんの食事時の姿勢は?」
第9回 摂食嚥下障害の臨床Q&A 「誤嚥性肺炎発症後の患者さんへ提供する食事形態の決め方は?」


 

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