急性混乱のある患者さんへの看護計画|術後せん妄が生じている患者さん
- 公開日: 2025/5/20
術後せん妄が生じている患者さんに関する看護計画
せん妄は興奮、攻撃性、幻覚などが見られる過活動型と、傾眠や抑うつ状態を呈する低活動型とそれらが混在している混合型があります。せん妄が発症する要因には、疾患による身体的な影響、薬剤、環境変化などが挙げられます。術後は手術の侵襲だけでなくICU入室など環境の変化があるため、せん妄を発症するリスクが高まります。今回は術後にせん妄が生じている患者さんに関する看護計画を立案しました。
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観察計画 O-P 術後であるため、患者さんの身体的状態を把握する。手術はどのような術式で行われ、どういった種類の麻酔が実施されたのかを確認する。術後にどのような影響があるのか、注意しなければならない合併症などを把握する。普段の認知機能を確認してせん妄のリスクを評価する。
援助計画 T-P せん妄に関してスケールを使い、客観的な数値として継続的に評価をする。環境を整えること、普段使用している補聴器やメガネがあれば準備する。薬剤が必要な場合は、医師の指示の元、実施する。
教育計画 E-P 現在の状況について説明し、患者さんに状況を把握してもらう。また、疼痛や嘔気などがあれば、我慢せず伝えてもらうようにいう。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
術後にせん妄が生じているある
看護目標
安全に術後を過ごすことができる
観察計画 O-P
バイタルサイン、意識レベル
認知症やパーキンソン病、脳血管障害などの既往
術式、予想される手術侵襲の程度を確認
術中の麻酔薬、鎮痛薬などの使用量、輸液量や輸血量などの確認
術後の疼痛の有無、程度
嘔気の有無、程度
ドレーンの排液量、性状
尿量の推移
睡眠状況
検査データ(Hb、WBC、CRP、電解質など)
画像データ(X線、CT)
援助計画 T-P
せん妄スクリーニングツール(ICDSC、CAM-IUCなど)の評価を継続的に行う
術後の疼痛、嘔気を継続的に評価する
補聴器やメガネなど、患者の状態に合わせて補助具を使用する
状態に合わせて、医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
現在の状況を適宜説明する
術後の疼痛や嘔気は我慢せず伝えてもらうように説明する
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