せん妄の看護計画|術後にせん妄予防が必要な患者さん
- 公開日: 2022/6/21
術後せん妄予防に関する看護計画
せん妄はイメージされやすい興奮している状態以外にも、傾眠や抑うつ状態を呈する場合やそれらが混在している状態などさまざまであり、それらは「過活動型せん妄」、「低活動型せん妄」、「混合型せん妄」に分けられます。そして、術後は環境の変化だけでなく手術の侵襲などリスク因子がいくつもあり、臨床で遭遇する可能性があるため看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 手術はせん妄の直接因子の1つであり、認知機能障害や高齢などの因子があるとさらに発症のリスクが高まる。患者さんの術後の状態を観察するとともにせん妄を引き起こすリスクについても確認する。
援助計画 T-P せん妄は早期に発見することが大切。発症していないかを頻回にチェックする。また、周りの状況がわからないといったことが発症のリスクとなるため、補聴器やメガネを使用している場合は普段使っているものを使えるようにすることが必要。術後の疼痛についても確認する。せん妄を引き起こしやすい薬剤があるため、その点も注意する。
教育計画 E-P 術後の早期離床を目指し、必要性を説明する。痛みがあると早期離床の妨げとなるため、我慢をしないことを伝える。状況がわかるように、必要に応じて説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
せん妄のリスクがある
看護目標
周術期にせん妄を起こさない
観察計画 O-P
バイタルサイン、意識レベル
神経症状の確認
普段の認知機能の確認
認知症やパーキンソン病、脳血管障害などの既往の有無
術式、予想される手術侵襲の程度を確認
術中の麻酔薬、鎮痛薬などの使用量、輸液量や輸血量などの確認
日中の離床状況、活動状況
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
睡眠状況
検査データ(TP、Alb、CRP、電解質など)
援助計画 T-P
意識レベルの推移を確認
せん妄スクリーニングツール(ICDSC、CAM-ICUなど)の評価を継続的に行う
術後の疼痛を評価する
状態に合わせて、医師の指示に基づく薬剤を使用する
可能な範囲で経口摂取や早期離床を促す
補聴器やメガネなど、患者の状態に合わせて補助具を使用する
教育計画 E-P
現在の状況を適宜説明する
痛みは我慢せず伝えてもらうように説明する
離床の必要性を説明する
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