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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

誤嚥のリスクのある患者さんへの看護計画|誤嚥性肺炎で入院してきた認知症のある患者さん

  • 公開日: 2023/3/11

誤嚥性肺炎で入院してきた認知症のある患者さんに対する看護計画

 認知症は血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型など同じ認知症であっても原因、病状の進行度合いは異なり、認知機能の低下だけでなく日常生活に支障をきたす周辺症状も見られます。今回は、認知症によって嚥下機能が低下した患者さんの看護計画を考えました。

POINT

観察計画 O-P 認知症の症状がどの程度あるのかを把握する。現在の食事形態や嚥下状態など摂食嚥下に関する情報を集める。家族の介護力や訪問介護や訪問看護が入っているのかといったことも確認する。メインで介護している家族が誤嚥のリスクを理解しているか確認する。

援助計画 T-P 集めた患者さんの情報から適切な食事形態や食事環境を考え、提供する。経口摂取を継続するためにも口腔ケアはしっかりと行う。退院に向けて家族にも食事の際のベッドアップの角度や介助、食事形態について知ってもらう。

教育計画 E-P 食事形態などについて家族に説明する。また、社会資源の活用など家族の負担を減らせるような方法についても知らせる。患者さんや家族が不安なことがあるのであれば、いつでも話を聞けるような雰囲気作りを行う。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

認知症による誤嚥のリスクがある

看護目標

誤嚥を起こすことなく生活することができる

観察計画 O-P

客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
自覚症状の有無、程度
食事や飲水摂取状況
口唇や舌の動き
嚥下状態
食事摂取時の動作
食事形態(とろみ、形など)
家族の介護力
認知症に対する家族の認識、理解
食事や嚥下に対する家族の認識、理解
検査データ(Alb、TPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)

援助計画 T-P

患者のADLに合わせた食事介助を行う
適宜、食事形態や食事環境を整える
必要時、口腔ケアを行う
嚥下状態に合わせたリハビリの導入を検討する
ADLや嚥下状況を踏まえて今後の生活様式を検討する
必要に合わせて社会資源の導入を検討する
必要に応じて医師の指示に基づく薬剤を使用する

教育計画 E-P

ADLや嚥下状態に合わせた食事摂取方法を患者や家族に説明する
口腔ケアの必要性を説明する
必要に応じて社会資源の活用について説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

認知症について知っておこう!

認知症とは? 診断方法と4大認知症の特徴・症状・経過
第7回 摂食嚥下障害の臨床Q&A 「認知症のために嚥下訓練ができない!」
第18回 認知症患者の家族の心理
第15回 認知症患者の身体状態を把握し、安全を守る

認知症関連のスケール・指標

改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
Mini-Mental State(MMSE)|ミニメンタルステート検査


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