Lugano分類(2014)
- 公開日: 2023/4/10
Lugano分類(2014)は何を判断するもの?
Lugano分類(2014)とは、リンパ節を原発とする悪性リンパ腫の病期を分類するスケールです。
悪性リンパ腫は、白血球の一つであるリンパ球ががん化した悪性腫瘍です。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫(B細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫)に大別され、日本では非ホジキンリンパ腫がほとんどを占めます。
以前は、ホジキンリンパ腫に対して開発された「Ann Arbor分類」が非ホジキンリンパ腫にも用いられてきましたが、普遍的でより精度の高い病期分類をめざし、2014年にAnn Arbor分類の修正版としてLugano分類が提唱されました1)。
なお、Lugano分類(2014)は診断時の病期分類だけではなく、治療効果の判定にも用いられています。
Lugano分類(2014)はこう使う!
Lugano分類(2014)では、画像検査(CT、FGD-PET/CT)や骨髄検査などの結果から、悪性リンパ腫の病期をⅠ期、Ⅱ期、Ⅱ期bulky、Ⅲ期、Ⅳ期に分類します(表)。
表 Lugano分類(2014)
病期 | 病変部位 | 部外病変 | |
---|---|---|---|
限局期 | Ⅰ期 | 1つのリンパ節病変または隣接するリンパ節病変の集合 | リンパ節病変を伴わない単独の節外病変 |
Ⅱ期 | 横隔膜同側の2つ以上のリンパ節病変の集合 | リンパ節病変の進展による、限局性かつリンパ節病変と連続性のある節外臓器の病変を伴うⅠ期またはⅡ期 | |
Ⅱ期 bulky* | bulky病変を有するⅡ期 | 該当なし | |
進行期 | Ⅲ期 | 横隔膜両側にある複数のリンパ節病変または脾臓病変を伴う横隔膜上側の複数のリンパ節病変 | 該当なし |
Ⅳ期 | リンパ節病変に加えてそれとは連続していないリンパ外臓器の病変 | 該当なし |
*bulky病変を有するⅡ期を限局期または進行期として治療するかどうかは、病型や予後因子により決定する
Lugano分類(2014)の結果を看護に活かす!
悪性リンパ腫の患者さんの看護では、治療法や予後の予測だけでなく、Lugano分類(2014)による病期を確認し、状態把握につなげるようにしましょう。スケーリングに用いた画像所見を見ることができれば、あわせて確認しておきます。身体所見評価においては、腫大リンパ節の個数、サイズ、性状などを把握して、経過を見ていくことが大切です。
悪性リンパ腫の患者さんは、がんそのものや治療の影響で易感染状態になります。患者さんに感染しやすい状態であることを伝え、手洗いやうがいをしっかり行い、発熱など感染の症状がみられた場合は、すぐに病院に連絡するよう指導します。
引用・参考文献
●日本血液学会,編:リンパ腫.造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版補訂版(WEB版).金原出版,2020.(2023年3月27日閲覧) http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_soron.html