術後の離床が進まない患者さんに関する看護計画|肺がんの術後で疼痛がある患者さん
- 公開日: 2024/11/29
肺がんの術後による疼痛で離床が進まない患者さんに関する看護計画
肺がんの手術には前胸部や側胸部へ数カ所の小さな穴を開けて、その穴からカメラを挿入して行われる胸腔鏡下手術と前胸部から側胸部あるいは側胸部から背部にかけて切開を行い肋骨と肋骨の間を広げて行われる開胸手術があり、いずれの場合も手術後には創部に関連した痛みが生じます。今回は肺がんの術後で創部の疼痛によって離床が進まない患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 疼痛の程度や創の状態、感染などがないかといったことを確認する。感染の徴候は患者さんの自覚症状、創の状態、検査値などから判断する。離床の程度についても把握する。
援助計画 T-P 痛みの評価を継続的に行う。離床を促すとともに、できる範囲でリハビリテーションを行う。痛みを緩和できるよう、体位や環境を整える。疼痛が生じるタイミングに合わせて薬剤を使用できるようにあらかじめ準備する。
教育計画 E-P 痛みを我慢する必要なないことを伝える。離床やリハビリテーションの必要性を説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
手術に関連した痛みで離床が進まない
看護目標
徐々に離床をすることができる
観察計画 O-P
疼痛の程度、推移
ドレーンの排液量、性状、色調など
離床の程度、活動状況
自覚症状の有無、程度(疼痛、呼吸困難感、倦怠感など)
創部の感染徴候の有無、程度
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
睡眠状況
検査データ(TP、Alb、CRP、WBCなど)
画像データ(胸部X線、CTなど)
援助計画 T-P
客観的な指標(NRS、VASなど)を用いて、継続的に疼痛を評価する
医師の指示に基づく鎮痛薬を使用する
可能な範囲で深呼吸や自己喀痰を促す
疼痛緩和のための安楽な体位を検討する
教育計画 E-P
痛みを我慢しないように説明する
離床の必要性について説明する
深呼吸や腹式呼吸の必要性を説明する
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