廃用症候群の看護計画|肺がん術後の予防が必要な患者さん
- 公開日: 2022/3/9
肺がんの術後で廃用症候群予防の内容を含む看護計画
廃用症候群とは「安静や活動低下に伴う身体機能や精神機能の低下」であり、肺がん術後の呼吸機能低下、創痛や無気肺など術後特有の症状に対する介入を念頭に計画を考えます。
観察計画 O-P 廃用症候群の予防は早期離床や活動量の維持・増加が重要となる。そのため、呼吸状態や創部の疼痛の程度など、術後の全身状態を把握する必要がある。
援助計画 T-P 肺がんの術後であり、肺活量の低下や呼吸機能の低下をきたしていると考えられる。そのため、低酸素状態にならないようなケアが必要である。また、創部の疼痛は早期離床の妨げとなるため、疼痛の評価を行い、痛みの程度に合わせた介入を行う。
教育計画 E-P 早期離床のためには患者さん自身がその必要性を理解し、行動することが重要である。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肺がん術後の呼吸状態に関連した廃用症候群の発生リスク
看護目標
廃用症候群を予防する
観察計画 O-P
バイタルサイン
呼吸状態(呼吸音、呼吸様式、咳嗽、喀痰など)
自覚症状の有無、程度(呼吸困難感、倦怠感、疲労感など)
創部の疼痛、感染徴候の有無、程度
離床の程度、活動状況
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状、排泄に関する認識など)
睡眠状況
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(XP、CTなど)
援助計画 T-P
状態に合わせて、医師の指示に基づく酸素投与を行う客観的な指標(NRS、VASなど)を用いて、継続的に創痛を評価する
状態に合わせて離床や関節可動域訓練を促す
ADLに合わせた清潔保持を行う
食事、排泄、睡眠が適切に行えるように環境を整える
他職種と協働して術後の回復過程に合わせた介入を行う
教育計画 E-P
離床の必要性を説明する
食事摂取や栄養の必要性を説明する
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