褥瘡の看護計画|仙骨部に褥瘡ができた患者さん
- 公開日: 2022/3/11
仙骨部に褥瘡がある患者さんの看護計画
褥瘡とは「身体に加わった外力によって、皮膚や皮下組織が長時間圧迫されることで血流障害が生じて骨と皮膚の間の軟部組織が壊死に至ったもの」を言います。そのため、その発生や悪化のメカニズムを踏まえて計画を立案していく必要があると考えられます。
観察計画 O-P 褥瘡の程度を把握するとともに、スケールを用いて客観的に評価する。機械的刺激、化学的刺激、栄養状態などから褥瘡発生のリスクを把握する必要があるため、これらがわかるデータを集める。使用している薬剤の副作用によっては発生リスクが高まることがあるため確認する(副腎皮質ステロイドは長期に使用すると皮膚が菲薄化することがあるなど)。
援助計画 T-P 体圧分散、皮膚の保護、栄養状態の改善などを行い、褥瘡の縮小を目指す。また、新たな褥瘡が発生しないようにケアを行う。 教育計画 E-P 退院後の生活を見据えて、患者さんと家族に褥瘡に関する知識を得てもらえるよう支援する。*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
ADL全介助、低栄養に関連した褥瘡
看護目標
褥瘡を縮小、消失する
新たな褥瘡を発生させない
観察計画 O-P
バイタルサイン
褥瘡の有無、程度
DESIGN-R、ブレーデンスケールなど客観的指標の経時的な推移
皮膚状態
骨突出の部位、程度
排泄状況(失禁の有無、程度、下痢や便秘の有無、程度など)
運動障害、感覚障害の有無、程度
活動状況(安静度、リハビリの程度など)
食事や飲水摂取状況
使用中の薬剤の確認(輸液の種類、副腎皮質ステロイド、睡眠薬など)
検査データ(TP、Alb、電解質、炎症反応など)
援助計画 T-P
必要に応じた体位変換、除圧の実施
排泄状況に合わせた皮膚の清潔保持を実施する
状態に合わせた体圧分散具の使用
安楽な姿勢、体位の調整
医師の指示に基づく褥瘡の処置を実施する
状態に合わせたドレッシング材や交換頻度を検討する
水分バランスや栄養摂取状況の確認
教育計画 E-P
褥瘡の発生や悪化の要因を患者、家族に説明する
状態に合わせた体圧分散寝具、寝衣の選択する必要性を患者、家族へ説明する
必要に応じて、褥瘡の処置方法を患者、家族へ説明する
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