セルフケア不足の看護計画|呼吸困難で清潔を保持できないケース
- 公開日: 2022/3/15
呼吸困難によるセルフケア不足で清潔を保持できない患者さんの看護計画
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患で、呼吸困難感を生じさせます。症状が進行するにつれて日常生活に支障が出てくる可能性を考慮して計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの呼吸状態を把握する。呼吸困難感により不安を感じることがあるため、患者さんがどう感じているのかを確認する。清潔を保持できないのは、清潔に対する認識不足なのか、理解しているけれど呼吸困難感が強くてできない状況なのか、その他の理由があるのかを把握する。
援助計画 T-P 呼吸状態が改善されるようなケアを実施しつつ、環境を整え、患者さんの意識や状況に合わせた方法を検討し、実施・援助する。
教育計画 E-P 患者さん自身で清潔を保持できるように必要性を伝える。症状が進行することにより呼吸困難感を感じるようになり、それに対して不安を抱えることもある。そういった場合にはフォローすることを伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
COPDに伴う呼吸困難に関連したセルフケア不足に関連した清潔保持困難
看護目標
呼吸困難の程度に応じて、自分で清潔を保持することができる
観察計画 O-P
呼吸状態(呼吸回数、深さ、様式など)
呼吸困難感の有無、程度
呼吸困難に関する言動、不安の有無、程度
清潔保持に関する思い
表情、日々の活動状況
睡眠状況
検査データ(採血、動脈血ガス、心機能検査)
画像データ(XP、CTなど)
援助計画 T-P
患者の日々の清潔保持に合わせた介入
酸素消費量を抑えるかかわり
安楽な姿勢、体位の調整
喀痰が自己喀出できるように援助する(体位ドレナージ、ネブライザーの検討など)
医師の指示に基づく酸素療法の実施
環境整備を行う
教育計画 E-P
清潔保持の必要性を説明する
状態に合わせた酸素投与の必要性を説明する
わからないことや不安なことがあれば、スタッフに伝えてもらうように説明する
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