出血に対する看護計画|肺がん術後の患者さん
- 公開日: 2022/5/11
肺がん術後の出血に関する看護計画
肺には肺動脈や肺静脈といった血管があり、肺がんの手術の術式によって血管をどのように切除するかが変わります。そのため、術後の出血に関して留意する必要があり看護計画を立案しました。
観察計画 O-P どのような手術だったのかを把握すること、また、術後の患者さんの状態を確認する。術後出血がある場合は、ドレーンの排液の色に変化が現れたりHbの値に現れたりするため、早期発見・早期対応ができるよう注意が必要。
援助計画 T-P 肺がんの術後であり、肺活量の低下や呼吸機能の低下をきたしていると考えられる。そのため、低酸素状態にならないようなケアが必要である。また、創部の疼痛は早期離床の妨げとなるため、疼痛の評価を行い、痛みの程度に合わせた介入を行う。
教育計画 E-P 術後に起こりうることについて説明し、理解してもらう。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肺がん術後の出血リスクがある
看護目標
出血の予防、早期発見に努める
早期離床に努める
観察計画 O-P
手術の関する情報(術式、術中の出血量、術中の血管処置の有無など)
ドレーンの排液量、性状、色調など
循環動態の推移(HR、Bp、尿量など)
自覚症状の有無、程度(疼痛、呼吸困難感、倦怠感など)
In-Outバランス
離床の程度、活動状況
検査データ(Hb、BUN、CRPなど)
画像データ(XP、CTなど)
援助計画 T-P
ドレーンからの排液の量、性状を観察する
呼吸状態や循環動態を観察する
客観的な指標(NRS、VASなど)を用いて、継続的に創痛を評価する
疼痛緩和のための安楽な体位を検討する
医師の指示に基づく鎮痛薬を使用する
可能な範囲で深呼吸や自己喀痰を促す
教育計画 E-P
動悸、倦怠感、疼痛の増強など、出血に伴う症状について説明する
ドレーンの排液量が増えたり、色調が血性になると出血の可能性があることを説明する
体動時はドレーンやチューブ類に留意するように説明する
深呼吸や腹式呼吸の必要性を説明する
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