認知症により見当識障害のある患者さんへの看護計画
- 公開日: 2023/3/31
認知症により見当識障害のある患者さんへの看護計画
認知症は血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型など同じ認知症であっても原因、病状の進行度合いは異なり、認知機能の低下だけでなく日常生活に支障をきたす周辺症状も見られます。今回は入院してきた認知症による見当識障害がある患者さんの看護計画を考えました。
観察計画 O-P 認知症がどの程度進行しているかを確認する。入院するという環境変化により見当識障害などが出現する可能性を考えて、患者さんの状態を観察する。その他、全身状態を確認する。
援助計画 T-P 見当識障害は、時間、場所、人に対してなどがある。リスクを軽減するために、環境を整える。投薬が必要な場合は、医師の指示に従う。退院後に必要になりそうであれば、社会資源の活用についても検討する。
教育計画 E-P 環境を整えるとともに、口頭でも日にちや時間について伝える。必要なことについては、適宜、説明するようにする。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
認知症による見当識障害がある
看護目標
自分なりの生活ができる
観察計画 O-P
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
意識レベルの推移(JCS、GCS)、日内変動の有無
視覚障害や感覚障害の有無、程度
自覚症状の有無、程度
食事や飲水摂取状況
排泄状況
薬剤の内服状況や副作用の有無、程度
睡眠状況
検査データ(TP、ALB、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)
援助計画 T-P
時計やカレンダーなどを使用して時間のリズムを整える
日中と夜間の生活リズムを整える
患者のADLに合わせた療養環境を整える
患者の話を傾聴して言動を理解する
必要に合わせて社会資源の導入を検討する
必要に応じて医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
適宜、時間や場所の説明をする
必要に応じて入院の必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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