抗血栓薬を服用している患者さんへの看護|心房細動の患者さん
- 公開日: 2023/3/31
心房細動で抗血栓薬を内服されている患者さんに対する看護計画
心房細動とは心房が細かく収縮することで生じる心臓の不規則な収縮のことです。さまざまな要因があり、心臓が不規則に収縮することで血液の流れが滞りやすく血栓ができやすくなるため血栓予防として抗凝固療法が導入されることがあります。今回はその抗凝固療法を導入されている心房細動の患者さんが手術のため入院してきたケースに対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの全身状態を把握するとともに、特に胸部の症状で気になるものがないかを確認する。抗血栓薬の服用について確認し、出血傾向について把握しておく。手術に関する認識を確認しておく。
援助計画 T-P 術前術後の患者さんの状態を把握しながら、必要なケアを提供する必要がある。術前の服薬管理や術後の感染予防にも気をつける。
教育計画 E-P 手術についての解説とともに抗凝固薬を服用していることによる出血のリスクや手術前の服用中止などについて十分に説明する。また、不安があるのであれば、いつでも話してもらうように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
心房細動による血栓リスクがある
看護目標
血栓が生じることなく退院することができる
観察計画 O-P
胸部症状(動悸、胸部不快感など)の有無、程度
皮膚の湿潤、冷感、蒼白の有無、程度
運動障害や感覚障害の有無
心電図の波形(モニター、12誘導、継時的変化)
出血を疑う症状の有無
内服コンプライアンス
食事摂取状況(摂取量、内容など)
排泄状況(便秘、下痢の有無、程度など)
In-Outバランス
睡眠状況
検査データ(PT-INR、BNP、トロポニン、K、Hb、甲状腺機能など)
画像データ(心エコー、胸部レントゲンなど)
援助計画 T-P
心筋酸素需要を抑えたかかわりを行う
モニター心電図の波形を継時的に確認する
皮膚の清容を保つ
血痰や血便に留意する
自覚症状やADLに応じた療養環境を整える
医師の指示に基づく薬剤投与、酸素投与を行う
教育計画 E-P
抗凝固薬の必要性と出血のリスクを説明する
術後の経過について説明する
必要に応じてレートコントロールやリズムコントロールの必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
抗血栓薬の種類・作用機序と使い分け
抗血栓薬を使用している患者さんの注意点
術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など)