不安に対する看護計画|初期の認知症と告知を受けた患者さん
- 公開日: 2022/4/9
初期の認知症と告知を受けて今後に不安を感じている患者さん
認知症は血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型など同じ認知症であっても原因、病状の進行度合い、治療方法に違いがあるためそれを踏まえた看護計画を考えました。
観察計画 O-P 認知症の程度を客観的に把握するとともに、患者さんがどんなことを不安に思っているのかを聞き出す。現在、どの程度影響が出ているのかを確認する。
援助計画 T-P 患者さんの不安に合わせて適切な情報提供を行う。疾患そのものに不安があるのであれば、疾患について伝え、今後、生活が不安であれば社会資源などの活用について伝える。日常生活にできるだけ支障が出ないよう、援助を行う。不安だけでなく、感情を表出できるよう環境を整える。
教育計画 E-P 認知症について正しい知識をもってもらえるようにする。不安なことやわからないことがあれば、いつでも聞いてもらえるよう伝える。その他、社会資源についても伝えておく。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
認知症や今後の生活に対する不安がある
看護目標
認知症や今後の生活に関する情報が提供され不安が軽減される
観察計画 O-P
客観的な指標(HDS-R、MMSE)の推移
患者の心理状態
患者の疾患に対する理解、認識
症状の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
食事や飲水摂取状況
睡眠状況
援助計画 T-P
患者のADLに合わせた日常生活支援を行う
患者が自身の思いを表出できる環境を整える
患者のADLを踏まえて必要な社会資源を検討する
認知症に対する家族の思い、不安を確認する
患者や家族の意思が互いに確認できる場を設ける
教育計画 E-P
わからないことがあれば伝えてもらうように説明する
認知症の今後の経過について説明する
利用できる社会資源について説明する
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