セルフケア不足の看護計画|高齢による認知機能低下がみられる患者さん
- 公開日: 2022/4/5
- 更新日: 2024/9/10
高齢による認知機能低下に関連したセルフケア不足(排泄、食事や飲水など)
認知症と診断されていなくても認知機能の低下を認めることがあり、その度合いによって日常生活に支障をきたすことがあります。なんらかの疾患により入院してきた高齢の患者さんの様子から日常生活に支障が出ているのはないかと感じることがあるのではないでしょうか。そのような状況のときにどう看護計画を立てたらよいのかを考えました。
観察計画 O-P 認知機能が低下しているのかをスケールを用いて客観的に評価する。日常生活にどの程度影響が出ているのかを確認する。日常生活に影響が出ている場合、それが認知機能の低下からなのか、そのほかの疾患があり、それが影響しているのかを客観的に評価する。例えば、排泄に関しては、トイレの場所がわからない、便器の使い方がわからない、着衣や下着の着脱がわからない、歩行障害でトイレまで間に合わないといったことが考えられる。食事や飲水に関しては、失認により食べ物として認識できない、箸やスプーンの使い方がわからないなどが挙げられる。患者さんの身体状況と合わせて、影響を見極める必要がある。
援助計画 T-P 集めた情報から、援助が必要となる部分に対してケアを行う。患者さんの現在の状況を考慮した上で、どのようにすれば日常生活が問題なく送ることができるかを考える。認知機能低下の原因は治療介入ができるもの(せん妄、不穏、肝性脳症、尿毒症など)とそうでないもの(アルツハイマー型、レビー小体型など)があり、治療目的もしくは進行抑制のための薬剤の使用が考慮される。
教育計画 E-P 入院する原因となった疾患について家族に理解してもらい、どのような症状が出るのかということを知ってもらう。また、援助が必要な場合に備えて社会的資源についても説明しておく。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
看護問題
セルフケア能力の低下がある