呼吸困難感に対する看護計画|COPDの患者さん
- 公開日: 2022/4/11
COPDに伴う呼吸困難感に関する看護計画
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有害物質を長期に吸入することで生じた肺の炎症性疾患で、喀痰の増加、気道の狭窄、肺胞の破壊などによって呼吸困難感を生じて、呼吸状態だけでなく日常生活に支障が出るため、それらに対する看護計画が必要と考えられます。
観察計画 O-P 患者さんはCOPDで呼吸困難を訴えるため、COPDの症状がどの程度で、呼吸状態がどうなっているのかを主観的、客観的に把握できるデータを集める。呼吸困難感が日常生活にどれくらい支障をきたしているのかを確認するため、食事や飲水摂取を含む栄養状態、睡眠についても情報を集める。
援助計画 T-P 呼吸困難感を引き起こしている原因に対応する(服薬や痰の除去)。負荷がかかっている呼吸筋に対しても対策を行い、酸素投与も行い呼吸困難感の軽減を図る。食事量や水分摂取が低下している場合は、脱水になる可能性があるため、水分摂取を促すようにする。
教育計画 E-P COPDの疾患の説明とともに、酸素投与についてと呼吸困難感を軽減する方法について指導する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
呼吸困難感がある
呼吸困難感により日常生活に支障がある
看護目標
呼吸困難感が軽減される
呼吸状態に合わせた日常生活を送ることができる
観察計画 O-P
呼吸状態(呼吸回数、呼吸様式、胸郭運動など)
呼吸困難感の有無、程度
咳嗽、喀痰の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
睡眠状況
検査データ(TP、Alb、CRP、動脈血液ガス検査など)
画像データ(XP、CTなど)
援助計画 T-P
医師の指示に基づく薬剤を使用する
状態に合わせて、医師の指示に基づく酸素投与を行う
排痰の援助、必要に応じて喀痰吸引を行う
呼吸筋の仕事量を軽減する支援を行う
適切な水分摂取を促す
教育計画 E-P
酸素の必要性が高まる要因を説明する
必要に応じて口すぼめ呼吸、腹式呼吸の説明を行う
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