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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

労作時に呼吸困難がある患者さんに関する看護計画|肺炎によるCOPDの増悪

  • 公開日: 2024/4/29

肺炎によるCOPD増悪で労作時に呼吸困難がある患者さんに関する看護計画

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有害物質を長期に吸入することで生じる肺の炎症性疾患で、気道の狭窄、肺胞の破壊、呼吸仕事量の増加などが生じて不可逆的に呼吸機能が低下していきます。今回はCOPDの患者さんが肺炎を発症して呼吸困難が出現してきた際の看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 患者さんの呼吸の状態も含めて全身状態を把握する。呼吸困難であることが、食事や水分摂取、睡眠など日常生活にどの程度、影響を与えているかも確認する。

援助計画 T-P 適宜ギャッチアップや離床を促して、肺の拡張を促していきます。また、体位ドレナージなどを実施し喀痰を促して、呼吸困難の原因を取り除くように努める。患者さんが自分で痰を喀出できない場合は、吸引も検討する。

教育計画 E-P 喀痰の必要性とその方法について説明する。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

肺炎による呼吸機能低下に伴う呼吸困難が生じている

看護目標

状態が改善して呼吸困難が緩和される

観察計画 O-P

呼吸状態(回数、様式、胸郭運動など)
喀痰の性状、量
副雑音の有無、性状
呼吸困難感の程度
随伴症状の有無、程度
食事や水分摂取量
排泄状況(尿回数、便秘や下痢の有無など)
In-Outバランス
検査データ(WBC、CRP、喀痰培養など)
画像データ(胸部X線、CTなど)

援助計画 T-P

適宜、吸引の実施を検討する
必要に応じて口腔内の清潔を保つ
適宜、ベッドギャッチアップや離床を検討する
必要に応じて体位ドレナージを検討する
医師の指示に基づく酸素投与や薬剤の使用

教育計画 E-P

咳嗽や吸引の必要性を説明する
体位ドレナージや離床の必要性を説明する
何かわからないことがあればスタッフに伝えてもらうように説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

COPDと呼吸困難について知っておこう

【慢性閉塞性肺疾患(COPD)の看護】症状と治療・ケア
第11回 血ガスを分析!【COPDの場合】
肺炎・気管支喘息・COPDでSpO2が低下する原因
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呼吸困難とは|原因、重症度の判定、対処法、アセスメント、看護計画

その他のCOPDの患者さんの看護計画

低栄養に対する看護計画|COPDの患者さん
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活動耐性低下に関する看護計画|COPDによる呼吸機能低下がみられる患者さん
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