全人的苦痛があり緩和ケアを導入されているがん患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/11/18
全人的苦痛があり緩和ケアを導入されているがん患者さんに関する看護計画
がん患者さんはその治療に伴う身体的苦痛だけでなく、今後の生活や仕事に関する不安、死に対する恐怖など精神的・社会的・スピリチュアルな側面からの苦痛を抱えることがあります。これらの全人的苦痛に対して緩和ケアの導入など、多職種と連携した看護が求められます。そのため、今回は全人的苦痛のあり緩和ケアを導入されているがん患者さんに関する看護計画を立案した。
観察計画 O-P 画像検査や血液検査などから、患者さんのがんや全身の状態を把握する。身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアル的苦痛など、どんなことをつらいと考えているのかを把握する。個別性のある問い掛けで質問するだけでなく、患者さんの普段の言動から推し量ることも必要。
援助計画 T-P 身体症状に関しては、薬剤を使用するだけでなく、安楽な環境を整えることも検討する。患者さんが思いを表出できるように努める。多職種の支援が必要な場合は、適宜連携する。
教育計画 E-P 緩和ケアについて説明し、感じたことや思っていることがあれば、いつでも話してほしいと伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
がんに伴う全人的苦痛があり、生活の質が低下している
看護目標
苦痛が緩和され、本人らしい生活が送れるようになる
観察計画 O-P
原疾患の治療状況
疾患や治療に対する予後
身体的苦痛(疼痛、倦怠感など)の程度、推移
精神的苦痛(不感感、不眠など)の状況
社会的苦痛(家族、職場、お金など)に関する言動
スピリチュアルな苦痛(死への恐怖、生に対する思いなど)に関する言動
食事摂取状況
日中の離床状況、活動状況
検査データ(TP、Alb、WBC、CRPなど)
画像データ(CT、MRIなど)
援助計画 T-P
疼痛コントロール、身体症状に対する緩和方法を検討する
不安や恐怖を表出できるよう患者さんの思いを受け止める
症状に合わせて安楽に過ごせるように支援する
適宜、必要な支援に合わせて多職種と連携して支援を検討していく
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
がんに伴うさまざまな苦痛が生じる可能性を説明する
必要に応じて緩和ケアの目的や必要性を説明する
疑問や不安がある場合はすぐに伝えてもらうように説明する
