「緩和ケア」の記事一覧
15件/39件

Integrated Palliative care Outcome Scale:IPOS
IPOSは何を判断するもの? IPOSは、ホスピス・緩和ケアで用いられる評価尺度の1つで、ケアの質を評価するためのスケールです。同様のスケールにSTAS-Jがありますが、IPOSはSTAS-Jの後継版として、臨床で広く活用されています。 SATS-Jはケアを提供し

STAS-J(STAS日本語版)
STAS-Jは何を判断するもの? Support Team Assessment Schedule (STAS)は、ホスピス・緩和ケアの成果とケアの質を客観的に評価するために、1990年代初めにイギリスで開発されたスケールです。STAS-Jはその日本語版として、臨床で活用され

末梢神経障害|症状別がんの緩和ケア
Ⅰ.はじめに 末梢神経障害はがんの薬物療法で起こる副作用の1つです。手や足の痺れや痛み、力が入らないなどの症状が現れます。患者さんの日常生活にどのような影響があるのかを把握して、ケアを行いましょう。 Ⅱ.患者さんの情報 A氏 64歳女性 非小細胞肺がん

家族ケア|症状別がんの緩和ケア
Ⅰ.はじめに がんの緩和ケア期における家族ケアは、患者さんの死後の家族の状態にも影響を与える可能性があるため、患者さんの様子だけでなく同時に並行して家族へのケアも重要になります。 患者さんの存命中からの家族への介入(喪失への介入)が、患者さんを喪った後の家

せん妄|症状別がんの緩和ケア
Ⅰ.はじめに せん妄は、入院患者に頻発する精神症状・病態であり、身体疾患の疾病状況を悪化させ、このために医療費を上昇させて社会資源への負担を増大させる1)と言われています。そのため、せん妄へのケアは重要な課題となっています。しかし、臨床においては、せん妄と認知症が

骨転移のある患者さんの動作工夫|症状別がんの緩和ケア
Ⅰ.はじめに 骨転移はがん患者さんによくみられ、痛み、病的骨折、脊髄圧迫を引き起こします。骨転移がみられる患者さんへの対応は、痛みをできるだけ取り除くこと、骨折を避けることが大切です。今回の事例では、放射線治療や薬物療法だけでなく看護の工夫でどう対応するかも解説し

口腔ケア(出血時)|症状別がんの緩和ケア
I.はじめに 出血傾向にあるがん患者さんの口腔ケアでは、出血の前兆を見逃さないように関わる必要があります。事例を通して患者さんの状態に応じたケア用品の選び方や家族への配慮などを考えましょう。 II.事例の概要 A氏、70代後半、男性、肺がん、腰椎転移、が

不安・不眠への対応|症状別がんの緩和ケア
I.はじめに がん患者さんの緩和ケアで対応しなければならない症状は一つではなく、複合的に起こっている症状に対応しなければなりません。 今回は、不安と不眠の症状のある患者さんのケアについて解説します。 II.事例の概要 A氏38歳女性 乳がん、リンパ

倦怠感への対応|症状別がんの緩和ケア
I.はじめに 倦怠感は、がん患者さんによくみられる症状の1つです。患者さんの状態をよくアセスメントし、どうかかわるとよいのかを考えましょう。 II.事例の概要 A氏:70歳代、男性、肝細胞がん、肺転移、ステージⅣ 妻は他界し、息子は他県に住んでいる

事例3:呼吸器症状への緩和ケア
事例詳細 【事例3 退院による医療者不在の不安から呼吸困難を生じたCさん】 <患者情報> ・Cさん、80歳代、男性 ・ 60歳代まで職人として働いており、性格は頑固 ・既往歴は高血圧症 ・家族構成:妻と2人暮らし、退院を機に娘が介護のため同居 <

事例2:消化器症状への緩和ケア
事例詳細 【事例2 環境の変化によるストレスからコントロール不能な嘔気・嘔吐へ対応】 <患者情報> ・Bさん、70歳代、女性 ・ 既往歴は心房細動(カテーテルアブレーション治療歴あり)、高血圧 ・家族構成:独居だが、退院を機に家族が同居 <経過>

事例4:倦怠感への緩和ケア
事例詳細 【事例4 強い倦怠感のなかで互いの思いがすれ違う父娘への援助】 <患者情報> ・Dさん、70歳代、男性、胃がんリンパ節転移 ・家族構成:長女一家と同居、長女40歳代(キーパーソン)、長女の夫、孫が3人、妻は20年以上前に事故で急逝

事例1:疼痛への緩和ケア
事例詳細 【事例1 乳がん末期の疼痛と呼吸苦のなか自宅退院を望んだAさん】 <患者情報> ・ Aさん、50歳代、女性(主婦)、左乳がん末期(リンパ節転移、骨転移、肺転移) ・家族構成:夫、子ども2人(息子・娘) <経過> 左乳がん診断後化学療法、

グリーフケアとしての緩和ケア
がん患者の痛みや苦しみは、症状によるものだけでなく、社会的・精神的・スピリチュアルなものまでさまざまであることを、特集の冒頭でご紹介しました。緩和ケアは、このように患者がもつ全人的苦痛に対するケアといえますが、同時に家族の抱える痛みへのケアでもあるといえるでしょう。それ

地域(在宅)で看護師が 緩和ケアを実践するには
病院で行われる緩和ケアに対して、地域(在宅)で行われる緩和ケアとはどのようなものでしょうか。ここでは、その違いについてお話します。 1. 限られた時間内に患者の変化を予測する 病院でも地域(在宅)でも行われる「緩和ケア」の定義に違いはありません。た