終末期の患者さんへの看護計画|心不全の終末期の患者さん
- 公開日: 2024/2/28
心不全で終末期の患者さんに関する看護計画
心不全とは心臓に何らかの異常が生じて心臓のポンプ機能が破綻した状態です。増悪や寛解を繰り返しながら心臓の機能は徐々にあるいは急速に低下していき、終末期を迎えます。今回は心不全で終末期の患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 病状や疾患についてどう認識・理解しているのかを把握しておく。呼吸困難や浮腫、尿量などについても観察し、日常生活にどの程度影響を与えているかを確認しておく。可能な範囲で本人の価値観や死生観を把握してどう過ごしていきたいのか、家族はどう考えているかといったことも聞いておく。
援助計画 T-P できるかぎり、本人の希望に沿って過ごせるように環境を整える。日常生活に影響がある症状があれば、緩和できないか試みる。
教育計画 E-P つらい気持ちや不安があれば、いつでも話してもらうように伝える。必要に応じて、緩和ケアについての説明も行う。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
症状の進行に伴う身体的、精神的苦痛がある
看護目標
患者さんらしく生活していくことができる
観察計画 O-P
呼吸困難感の有無、程度
浮腫の有無、程度
倦怠感の有無、程度
自覚症状の有無、程度
尿量や体重の推移
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
患者本人の意思、価値観
疾患の経過に関する認識、理解
現在や今後の生活に対する認識、理解
患者の状態に関する家族の認識、理解
検査データ(Alb、TP、BNPなど)
画像データ(胸部X線、心エコー、胸部CTなど)
援助計画 T-P
医師の指示に基づく薬剤の使用
適宜、医師の指示に基づく酸素投与を検討する
自覚症状に合わせてADLの介助、環境の調整を検討する
必要に応じて家族と過ごす時間が作れる様に調整する
教育計画 E-P
つらい気持ちは我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
必要に応じて医療用麻薬について説明する
看護記事を書くときに参考にしたい記事
第1回 心不全の病態と特徴|イチから知りたい! 心不全の緩和ケア①
第2回 心不全の緩和ケアとは|イチから知りたい! 心不全の緩和ケア②
第3回 薬物療法による症状緩和の実際|心不全の緩和ケアはこう行う①
第4回 緩和ケアの提供体制|心不全の緩和ケアはこう行う②