がん患者さんのスピリチュアルペインに関する看護計画
- 公開日: 2025/1/6
スピリチュアルペインが生じているがん患者さんに関する看護計画
がん患者さんは身体的な苦痛だけでなく、がんと診断される、局所あるいは全身に症状が出現していく、治療への不安や自身の予後などにより、精神的な苦痛、社会的な苦痛、スピリチュアルな苦痛も生じて、患者さんやその家族のQOLにも影響を及ぼします。今回はがんによるスピリチュアルペインが生じている患者さんに関する看護計画を立案してみました。
観察計画 O-P 疾患の状態や患者さんの状態を把握する。スピリチュアルペインは身体の痛みだけでなく、疾患をどう捉えているか、治療についての不安など、さまざまな要因が考えられる。患者さんが自身の状況や疾患についてどう考えているのかといったことを把握してケアにつなげる必要がある。
援助計画 T-P 患者さんの療養生活が安楽なものになるように症状に合わせて対応していく。また、ADLやQOLに影響が出ている場合は、必要に応じて支援したり環境を整えたりしていく。
教育計画 E-P 患者さんに不安や苦痛があれば、いつでも話してほしいと伝える。今後のがんの治療について、しっかりと説明し、患者さんが不安にならないよう努める。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
スピリチュアルペインが生じてQOLに影響が出ている
看護目標
スピリチュアルペインに自分なりに対応できQOLが向上する
観察計画 O-P
原疾患の状況
治療の進捗状況
がんやその治療に対する認識、理解
疼痛や随伴症状の有無、程度
薬剤の効果、持続時間
日中の活動状況
食事摂取状況
排泄状況(下痢、便秘の有無、程度など)
睡眠状況
検査データ(Alb、CRPなど)
画像データ(X線、CTなど)
援助計画 T-P
適宜、現在の状況に対する患者の思いを傾聴する
ADLやセルフケア能力に応じて支援を行う
症状に合わせて安楽な療養環境を整える
多職種と協働して患者さんが自分なりに生活していけるように支援する
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
必要に応じて麻薬やオピオイドについて誤解がないように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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