1. トップ
  2. 看護記事
  3. 看護教育・制度
  4. 看護管理・教育
  5. 看護記録
  6. がんで緩和ケアを実施している患者さんに関する看護計画

【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

がんで緩和ケアを実施している患者さんに関する看護計画

  • 公開日: 2024/10/24

がんで緩和ケアを実施している患者さんに関する看護計画

 がんとは、細胞の中にある遺伝子に何らかの要因によって異常が生じて、その異常な細胞が無秩序に増えていく疾患です。周囲の組織に浸潤したり、血液やリンパを介して他の場所に転移したり、局所あるいは全身にがんによる症状が出現するため緩和ケアが必要になる場合があります。今回は、がんによる症状に緩和ケアを実施されている患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P がんの治療の状況、転移しているのかを確認する。全身状態も把握する。どのような緩和ケアが実施されていて、どのような薬剤が使用されているのか、本人がどのように感じているかを確認する。個別性のあるケアを実践するために本人の価値観や考え方を把握していく。

援助計画 T-P 患者さんの意思、考えを確認しながら、疼痛や苦痛を緩和させるケアを実施する。日常生活の中で必要な援助を行う。

教育計画 E-P 早疼痛緩和のための薬剤について、誤解がないよう本人、患者さん家族に説明する。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

がんに関連した症状で生活に支障がある

看護目標

症状が緩和されQOLが向上する

観察計画 O-P

原疾患の治療状況
治療に対する認識、理解
疼痛が発生する時期、頻度
悪心・嘔吐が発生する時期、頻度
倦怠感の有無、程度
薬剤の効果、持続時間
疼痛や薬剤に対する認識、理解
日中活動状況
睡眠状況
食事摂取状況
排泄状況(下痢、便秘の有無、程度など)
患者の価値観、考え方
現状や今後に対する意思
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(胸部X線、CTなど)

観察計画 T-P

医師の指示に基づく薬剤を使用する
適宜、患者と相談して非薬物療法の実践を検討する
疼痛に合わせた療養環境を整える
必要に応じて安楽な姿勢を整える
ADLやセルフケアに応じて援助を行う

教育計画 E-P

麻薬やオピオイドについて誤解がないように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

看護計画を書くときに参考にしたい記事

第1回 緩和ケア概論|知ってる? 進化を続ける「緩和ケア」
グリーフケアとしての緩和ケア”target=”_blank”>看護の力で成し得るー多角的・複合的ながん患者の緩和ケア
第13回 家族ケア・遺族ケア|がん患者さんの家族も緩和ケアの対象です


この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

認知症で誤嚥性肺炎が生じている患者さんに関する看護計画

嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎が生じている患者さんに関する看護計画  認知症は脳の機能障害によって社会生活に支障をきたす疾患です。脳の機能障害から活動低下が生じてさまざまな症状をきたします。今回は認知症で嚥下機能が低下しており誤嚥性肺炎が生じている患者さんに関する看護計画を立

2024/10/29