足浴に関する看護計画|がん性疼痛で入浴できない患者さん
- 公開日: 2022/11/25
がん性疼痛で入浴ができない患者さんの看護計画
「痛みは組織の損傷や障害の際に表現される不快な感覚および情動体験」1)と定義されています。がんによる身体的要素だけでなく精神的、心理的な要素などさまざまな要因で痛みを感じて入浴などのセルフケアが実施できなくなる患者さんに向けて、看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんがどの程度痛みを感じているのか、何ができて何ができないのか、鎮痛薬の使用状況を確認する。また、現在の身体の状態(疼痛など)や、セルフケアや清潔についてどう感じているのか、患者さんの思いを聞き、ケアに活かすようにする。
援助計画 T-P 入浴が難しい場合は、患者さんの疼痛に配慮しながら、洗髪、足浴、手浴などを検討する。清潔のためだけでなく、患者さんが爽快感を得られる効果もある。整容などの援助も考える。痛みが強い場合は、鎮痛薬の使用やどんな体位だと痛みを感じにくいかなど、患者さんに聞きながらケアを実施する。
教育計画 E-P 鎮痛薬の使用やケアについて説明する。痛みや生活のことなど不安があれば、話してもらうよう伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
疼痛でセルフケアを実施することができない
看護目標
状態に合わせたセルフケア活動ができる
観察計画 O-P
現在のADL
疼痛の程度、持続時間、頻度
鎮痛薬の使用状況
倦怠感の有無、程度
原疾患の治療状況
疼痛に対する思い、考え
セルフケアの実施状況
皮膚に状態(乾燥、脆弱性など)
セルフケアに対する思い、考え
排泄状況(失禁、下痢の有無、程度など)
検査データ(Alb、TP、CRPなど)
援助計画 T-P
状態に合わせた足浴の実施
整容に関するセルフケアの実施
必要に応じて環境を整える
医師の指示に基づく疼痛コントロールを行う
薬剤以外の方法で疼痛が緩和できるか検討する
教育計画 E-P
鎮痛薬の適切な使用の必要性を説明する
皮膚を清潔に保つ必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
引用文献
1)IASP:IASP Announces Revised Definition of Pain(2022年11月16日閲覧)https://www.iasp-pain.org/publications/iasp-news/iasp-announces-revised-definition-of-pain/?ItemNumber=10475.