電解質の働きを確認しよう!
- 公開日: 2014/7/11
主な電解質の役割患者さんの状態把握を的確に行うためには、水分のIN/OUTを理解しているかどうかがカギになります。まずは、IN/OUTの基本となる「水・電解質」についてみていきましょう。
恒常性を維持する電解質
体液はどのように働いて人体を維持しているのでしょうか。水に溶けて、電気を通すイオンになる物質を電解質といいます。
電解質は、細胞の浸透圧を調整したり、筋肉細胞の収縮と弛緩や神経細胞の伝達に関わったりして、人体の恒常性の維持に重要な役割を果たしています(表)。
表 主な電解質の役割
電解質の組成は、細胞外液と細胞内液で異なります(図)。
図 体液を構成する主な溶質の組成
細胞外液の電解質は、陽イオンはナトリウム(Na+)、陰イオンはクロール(Cl–)、次に重炭酸イオン(HCO3–)が多く、ほぼ0.9%食塩水の環境になっています。これは、35億年前の生命誕生時の海の組成に酷似していると言われています。
一方、細胞内液の陽イオンの主成分はカリウムK+、マグネシウムMg2+が多く、陰イオンは主にリン酸水素HPO42-、次いでタンパク質が多くなっています。