「イレウス」「イーシージー」「イーコリ」「インシデント」ってなに?
- 公開日: 2015/7/22
日常の看護業務でよく耳にする専門用語や今さら聞けない業界用語、最近出てきた新しい用語などを解説します。
『イレウス』([英]ileus)
腸閉塞のこと。排便や排ガスなどの腸管内容が通過できず、腸内に滞ってしまう病態を総称します。分類としては機械的イレウスと、機能的イレウスがあります。メカニズムとしては、腸管拡張と内圧上昇、水分・電解質の喪失などがあり、症状としては、発熱、脱水、腹痛、腹部膨満、嘔吐などが見られます。
『イーシージー』([英]ECG;electrocardiogram)
心電図のこと。ドイツ語では「エーカーゲー」と呼びます。心筋の活動電位の差を2点間で測定して記録したもので、心電図計により活動電位を経時的に波形で描写します。
心房の興奮を表す「P波」、心室筋の脱分極を表す「QRS波」、心室筋の再分極を表す「T波」などがあります。
心電図の山(波形)は、興奮(電気信号)が向かってくる場合、波形は上向きとなり、興奮(電気信号)が遠ざかっていく(届いていない)場合に波形は下向きを示します。
『イーコリ』([ラ]E.coli(Escherichia coli))
大腸菌のこと。グラム陰性桿菌(グラム染色で脱色される菌で、さお状の菌)で、増殖のための酵素がなくても増殖する通性嫌気性菌である。
本来は腸内フローラ(腸内細菌叢)の一一部で病原性はありませんが、腸管以外の場所に混入した場合、感染症や敗血症などの疾患を引き起こす。
『インシデント』([英]incident)
医療事故に至る前に間違いに気づいた事件・経験のこと。このようにあわや医療事故にと「ヒヤリ」とした事件や、思わず「ハット」した事件を「ヒヤリハット」と呼ぶ。今後の医療事故を防ぐために、これらの「ヒヤリハット」事例は「インシデントレポート」として安全対策委員会などに報告する。
なお、未遂の事故を「インシデント」と呼ぶのに対して、起こしてしまった事故を「アクシデント」といいます。