第5回 エンゼルメイクの目的①ファンデーションやチークで血色を補う意味
- 公開日: 2015/12/22
- 更新日: 2021/1/6
患者さんがご臨終を迎え、本人の人格やその尊厳を失わないよう、ご遺体がケアする人の手を離れるまでケアを行なう「エンゼルケア(逝去時ケア)」。本連載ではそのエンゼルケアの実践法を解説します。
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エンゼルケア(逝去時ケア)とは?目的・手順など
前回までは、乾燥と脆弱化のお話をし、できるだけ圧迫跡を残さない方法をお話しました。今回は死後変化のうちの「蒼白化」についてお話しします。
肌色の蒼白化について
蒼白化によって失われた血色を補う
死後の身体は重力の影響を受けて、血液、体液が下におります。とくに比重の重い赤血球が背面方向に沈降します。
(伊藤 茂:ご遺体の変化と管理,照林社,2009を参考に作図)
一番重い赤血球は血色をもたらしています。血色が下におりてしまうことで、身体の前面部分が白くなってきて、さらに露出している顔は白さが目立ってきます。この現象を蒼白化といいます。死後30分後位から蒼白化が目視できるといわれています。
エンゼルメイク研究会では、これまでの検討により、失われた血色を補うことが外見の穏やかさにつながることを知りました。とくにお顔やその周辺に血色を補うと、とても穏やかな表情になります。決まった流れの一つとしてチークを行うのではなく、「この方の血色を補うために行う」と考えながらメイクをしていくことが大切です。
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