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【連載】その手技にはワケがある!

摘便・浣腸の方法と注意点

  • 公開日: 2016/6/13

今回は、摘便・浣腸を行う際のコツや注意点を解説します。

【関連記事】
* 摘便とは|適応・禁忌・手順・コツ〜根拠がわかる看護技術

摘便のコツ・注意点

摘便前に肛門をタッピングまたはマッサージする

摘便は単に指の腹で便を摘み出すことではなく、栓になってしまっている便を、指で動かしたり、直腸反射を促すことで、排出させる方法です。

ですから、反射の促進や指の挿入を容易にするために、タッピングやマッサージなどで肛門を弛緩させることが大切です。
肛門が弛緩したタイミングに合わせて、人差指を付け根まで滑り込ませ、大きくて硬い塊になっている便の場合は、挿入した指で小さく砕いて出しやすくします。

また、指先で便を回し、向きを変えることで、出しやすくなる場合もあります。
実施の際は、常に粘膜の損傷による出血に注意しながら行います。苦痛を伴うことを忘れずに、短時間で済むように心がけましょう。

浣腸のコツ・注意点

浣腸は立位でなく臥位で挿入する

これまで立位によるグリセリン浣腸で、直腸穿孔を起こした事例が何件か報告されています。

日本看護協会でも、

(1)直腸の形態の変化により直腸の横ひだにカテーテルがぶつかり傷付きやすい
(2)患者さんの緊張で直腸が収縮するのでカテーテルが安全に挿入できない
(3)実施者の視野が確保できず挿入の長さが確認しにくい
(4)挿入したカテーテルが安定しにくく過長挿入や脱出を生じやすい

などの理由を挙げ、「緊急安全情報」として通達を出しています。左側臥位で行いましょう。

浣腸のコツ・注意点説明図

次は、「肛門から浣腸液が流れ出したら液が残っていてもカテーテルを抜く」です。

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