シンチグラフィ検査(核医学検査)の目的と看護のポイント
- 公開日: 2016/8/25
シンチグラフィ検査(核医学検査)とは
呼吸器系疾患で行われることも多いシンチグラフィ検査は、各種画像検査とともに広く用いられていますが、一般的なX線写真やCTの撮影とは大きく異なる特徴を持っています。X線撮影は体外からX線ビームを照射し、その透過率の違いを画像イメージとして再構築したものです。
一方、シンチグラフィ検査では微量の放射線を出す放射性同位体(アイソトープ)を被験者の血管内に注射し、そこから放出される放射線を体外に設置した検出器でとらえ、画像化します。そのため、放射性同位体が血管内、組織、そして体外に排出されるという代謝経過をも反映させた情報を得ることができる、すぐれた検査であるといえます。
今回紹介するのは、その中でも頻繁に用いられる骨シンチグラフィ、ガリウムシンチグラフィ、さらに近年普及が目覚ましいPET(positron emission tomography)について解説します。
どんな検査?
検査を行う目的
シンチグラフィ検査は、、ほとんどの場合、診断過程の最初に行われるべき検査ではありません。シンチグラフィ検査は、他の検査である程度の情報を得たうえで、さらに追加の情報を得るために行われることがほとんどで、得たい情報に合わせた検査を行う必要があります(表)。
たいていの場合、他の画像検査から得た形の評価だけではわからない、病変の代謝的な特徴などの追加情報を得る目的で行われます。
どこを見るか?
シンチグラフィ検査では、体外に設置した検出器(ガンマカメラ)で、体内のアイソトープから放出される放射線を検出し画像化します。そのため、特別な加工を行わない画像は、放射線の検出が黒い点で描かれた点描のようなイメージとなり、その点が集中している様子から診断を行います。