1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 排泄援助
  5. 導尿
  6. 持続的導尿とは? 知っておきたいポイント

【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

持続的導尿とは? 知っておきたいポイント

  • 公開日: 2016/11/26

 導尿は、尿道口から膀胱内にカテーテルを挿入して尿を排出させるケアです。導尿には持続的導尿と間欠的導尿があります。ここでは、持続的導尿について、その目的やケアを行うにあたり知っておきたいポイントを解説します。


持続的導尿とは?

持続的導尿は、尿閉などの排尿困難が続く患者さんや手術や処置などで安静が必要な患者さんに対し、膀胱内に貯留している尿を持続的に排泄させるために行います。また、排泄した尿は蓄尿バッグにたまるため、尿量の測定や水分出納の厳密な管理が必要な場合にも行われます。

それに対し、一時的に排尿させることをある時間をおいて繰り返すことを間欠的導尿と呼びます。これは、尿閉、無尿などの排尿困難がある場合や尿閉の鑑別が必要な場合などに行われます。在宅などで患者さんや介護者が行う導尿もほとんどが間欠的導尿です。

持続的導尿も間欠的導尿も、カテーテルにより尿を排泄するためのルートをつくることには変わりありません。ただし、持続的導尿では、持続的にカテーテルを膀胱内に留置する必要があるため、先端にバルーンがついた膀胱留置カテーテルを用います。

患者さんの羞恥心に配慮する

導尿は患者さんにとって、羞恥心や苦痛を伴うケアであることをよく認識しましょう。
患者さんに声をかけるときは、周囲に聞こえないようにし、ケアを行う前にはカーテンなどでベッドサイドを覆って周囲から見えないようにします。また、ケアの際はなるべく露出部分を少なくするなど、患者さんの羞恥心に十分に配慮しましょう。

清潔・不潔区域を認識し無菌操作で行う

 持続的導尿、間欠的導尿ともに、尿路感染を防ぐためにカテーテルの挿入は無菌操作で行います。そのため、清潔・不潔区域をしっかりと区別し、ケアを行う必要があります。また、ベッド上の作業スペースの確保と必要物品の配置にも注意しましょう。

物理的な尿道粘膜損傷を避ける

 尿路は粘膜であり、また目で確認できないため、損傷しやすい部位です。尿路の損傷は、感染の要因ともなります。正しく適切なカテーテルの操作や固定法を習得し、十分に注意してケアを行いましょう。そのためには、尿路の構造など解剖生理の正しい知識をもつことも必要です。
カテーテルの挿入中や留置後は患者さんの観察を怠らないようにします。もし挿入が困難だったり、出血などの異常がみられたら、操作を中断し、医師に報告しましょう。

尿路感染の発生を防ぐ

 持続的導尿では、持続的にカテーテルが留置されているために、尿の停滞や逆流から尿路感染のリスクが高まります。尿路感染は、尿路結石、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎などを生じさせる原因となります。以下に、カテーテル留置中における感染予防と感染の早期発見のためのポイントを挙げていきます。

尿路を不潔にしない

 シャワー浴、もしくはシャワー浴ができない場合は1日1回、陰部の洗浄を行い、陰部を清潔に保ちます。
 蓄尿バッグは床につかない位置に設置し、歩行可能な患者さんには蓄尿バッグやカテーテルが床につかないように移動することを伝えます。

カテーテルと蓄尿バッグの交換は必要に応じて行う

かつて、膀胱留置カテーテルは1週間、あるいは2週間ごとに定期的に交換することが推奨されていました。しかし、現在ではカテーテル交換が微生物の新たな侵入の機会となり、むしろ感染のリスクを高めることがわかってきました。
CDCガイドラインでは、「膀胱留置カテーテルとそれにつながる回路(接続チューブや蓄尿バッグは定期的な交換をすべきではなく、回路汚染や感染徴候が確認された場合に適宜交換すべきである」と勧告しています。
 使用期間ではなく、患者さんの免疫力の状態や尿の性状をよく観察し、状況に応じて適切な時期に交換することが大切です。

感染徴候を見逃さない

 感染を早期に発見するために、発熱などの症状や尿の性状の異常などを見逃さないようにします(表)。

尿の性状 尿混濁、浮遊物、血尿
患者さんの観察 発熱、外尿道口の発赤、浮腫、分泌物
患者さんの訴え 下腹部の違和感、下腹部痛、陰部の掻痒感・不快感、排尿痛、頻尿、残尿感

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

導尿の看護|手順やカテーテルの種類など

導尿とは?  何らかの原因で自力での排尿が困難な場合、尿道口からカテーテルを挿入し、人工的に尿を排出させることを導尿といいます。 【関連記事】 ●持続的導尿とは? 知っておきたいポイント 導尿の目的 ・尿閉の解除・鑑別 ・尿量・残尿測定 ・水分出納の管理

2021/11/29

アクセスランキング

1位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
2位

簡単! 楽ちん! 点滴の滴下数計算 2つの方法

皆さんご存知の通り、点滴指示書には様々な書き方があります。 よくあるパターン ●流速が書かれている (例)「○○輸液500ml 60ml/h」 ●1日の総量が書かれている (例)...

251296
3位

看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイン

ここでは一般的な看護記録を解説しています。また、看護診断名にNANDA-I看護診断を使用しています。実際の記録は院内の記録規定に従いましょう。 【関連記事】 *看護計画の「観察項目...

249544
4位

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防な

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。 術前の検査  術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を...

249741
5位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・...

250751
6位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
7位

転倒転落リスクに対する看護計画|高齢で転倒の恐れがある患

高齢の転倒転落リスクに関する看護計画 加齢に伴い筋力や平衡感覚などの身体機能が低下することに加えて、疾患やそれに対する治療、使用する薬剤の副作用、入院環境などさまざまな要因で転倒や転落しやすくな...

313501
8位

心不全の看護|原因、種類、診断、治療

*2020年4月30日改訂 心不全とは  生活習慣病やさまざまな基礎疾患、加齢などが原因となり、心機能、特に多いのは左心室のポンプ機能が低下することで起こります。心臓のポンプ機能の代償...

249812
9位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
10位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開の看護 吸引とは...

250001