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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

【図解】膀胱留置カテーテルの導入手順~根拠がわかる看護技術

  • 公開日: 2016/12/3

持続的導尿(膀胱留置カテーテル)は、尿道の損傷や尿路感染のリスクがあり、慎重に行わなければならない難しいケアです。ここでは、手順とともにその根拠や注意すべきポイントを紹介していきます。

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準備

必要な物品

  • フォーリーカテーテル・蓄尿バッグ(一体化のものが主流)
  • 消毒器具(綿球・ポピドンヨード・攝子)
  • 滅菌潤滑剤(グリセリンなど)
  • ガーゼ
  • 吸水シーツ
  • 滅菌手袋
  • 滅菌水入りシリンジ
    ※ここでは、これらの物品がまとめて入った「閉鎖式カテーテルキット」を使用するケースで手順を説明します。

  • エプロン

  • バスタオル

  • 清拭用品(タオルなど)

  • 廃棄物入れ(ビニール袋、膿盆)

  • 固定用品(テープ、カテーテル専用の固定器具)

手順と注意点(女性の場合)

1 本人確認とケアの内容・目的を伝える

(1)患者さんの本人確認を行い、これから持続的導尿を行うことやその目的などを伝えます。
▼ここに注意!
他の患者さんに聞こえないように声の大きさに注意して説明するなど、患者さんの羞恥心に配慮しましょう。

2 環境を整える

(1)カーテンやスクリーンでベッドサイドを覆い、他の患者さんから見えないようにします。

(2)実施者はエプロンを着用します。

3 患者さんの脱衣を行う

(1)上シーツや毛布などの患者さんの上にかかっている寝具の上から、患者さんの腹部~膝部分にバスタオルをかけて、寝具を引き抜きます。
▼ここに注意!
取り去った寝具は、操作の妨げにならないように、ベッドの下方に扇子折りにして、きちんとまとめておきます。

(2)バスタオルの中で服と下着を取ります(自立患者さんの場合は脱いでもらう)。

(3)別のバスタオルで露出している下肢を片方ずつ巻きつけます(バスタオルが足りない場合は、処置を始めるまで下肢にバスタオルをかけておきます。
▼どうして?
患者さんの羞恥心に配慮するとともに体温の低下を防ぐためです。

4 閉鎖式カテーテルキットを開封し、吸水シートを敷く

(1)ワゴン上で閉鎖式カテーテルキット(以下、キット)を開封します。

(2)吸水シーツを取り出し、臀部の下に吸水シーツをしきます。
▼ここに注意!
吸水シーツを取り出すときはキットの中身に手を触れないようにします。

5 体位を整える

(1)膝を立てて、やや開脚させます。
▼ここに注意!
体位が維持できない場合、枕などで下肢を支えます。

6 物品をベッド上に配置する

(1)ゴミ袋の口を開けて患者さんの足元に置きます。
▼ここに注意!
滅菌手袋を装着すると、滅菌物以外の物品の移動ができなくなります。そのため、滅菌手袋の装着前に、滅菌物以外の物品をケアが行いやすいように配置します。

(2)外装からキットを取り出し、包装シート(滅菌包)からは取り出さず、患者さんの足の間にキットを移動します。
▼どうして?
キット内の滅菌物を清潔に保つために包装シートに包まれています。実際にケアを行う位置まで包装シートに保護された状態で移動することで、不潔になるリスクを減らします。
▼ここに注意!
開封した包装シートの上が無菌操作を行うスペースになるので、作業しやすい位置に移動します。

(3)包装シートの内側に触れないようにして、包装シートを広げてキットを開封します。
▼どうして?
包装シートの内側は清潔区域です。清潔を保つために、触れないようにします。

(4)患者さんに処置が終わるまで、なるべく足を動かさないようにすることを伝えます。
▼どうして?
滅菌物に患者さんの身体が触れないようにするためです。

7 滅菌手袋を装着する

(1)手指衛生を行い、滅菌手袋をキットから取り出し、ワゴン上に置きます。

(2)開封して滅菌手袋を装着します。
▼ここに注意!
装着するときは手袋の折り返し部分を持ちます。この時点で、折り返し部分は不潔区域になります。このように滅菌手袋の清潔・不潔区域を考慮して、素手で清潔区域を触れないようにします。

8 物品を準備する

(1)包装シートの上(清潔区域内)で作業を行います。

(2)トレイ内の綿球に消毒薬を注ぎます。

(3)潤滑剤をトレイ内の所定の位置に準備します。

(4)蓄尿バッグの排尿口側のクレンメが閉じていることを確認します。
▼どうして?
カテーテルを挿入したら、すぐに尿が排泄されます。このときクレンメが開いていると、尿が漏れてしまうためです。

9 バルーンの確認をする

(1)滅菌蒸留水入りシリンジでカテーテルの固定水注入口に滅菌蒸留水を挿入し、バルーンが正常に膨らむことを確認します。

(2)確認後は、滅菌蒸留水をシリンジに戻し、シリンジはカテーテルに接続したままにしておきます。
▼ここに注意!
キットを使用しない場合も、バルーンの固定水には滅菌蒸留水を必ず使用します。生理食塩水では、バルーンのなかで結晶化し水が抜けなくなる恐れがあります。

10 陰部の消毒を行う

(1)トレイやカテーテルなどを操作しやすい位置に置きます。
▼ここに注意!
清潔区域内に置きます。

(2)利き手の反対側の手で陰唇を開き、外尿道口を露出させます。

女性 外尿道口を露出させる方法

▼ここに注意!
陰部に触れた手は不潔になります。カテーテルなどを持たないように注意します。

(3)利き手で攝子をもち、消毒用綿球をはさみます。

(4)小陰唇を上から下に、はじめに中央、左、右(左右の順番はどちらでも可)を、一方向ごとに綿球を交換して消毒を行います。
消毒を行いながら、外尿道口の位置を確認します。
▼どうして?
消毒する順番が決められているのは、もっとも清潔にすべきところを先に消毒するためです。
▼ここに注意!
女性の場合、小陰唇を開いたまま、消毒を行います。カテーテルが挿入されうるまで小陰唇を開いたままにします。閉じてしまうと未消毒部分が消毒部分に触れて不潔になってしまいます。

(5)使用した攝子は清潔区域内に戻さないように処理します。

11 カテーテルに潤滑剤を塗布する

(1)利き手でカテーテルの先端の10cmくらいの位置でカテーテルをもちます。以前は、鑷子を使って挿入していましたが、現在は、滅菌手袋をはめて操作するようになっています。

(2)先端から4~5cmまで潤滑剤を塗布します。
▼ここに注意!
カテーテル内に潤滑剤が入り込まないようにします。
▼ここに注意!
油性の潤滑剤では、カテーテルが破損するので使わないようにしましょう。キットの中に入っている潤滑剤は、水溶性の潤滑剤(グリセリン)です。

12 カテーテルを挿入する

▼ここに注意!
カテーテルが寝具などに触れて、不潔にならないようにします。
▼ここに注意!
カテーテル挿入中は、患者さんや挿入部の観察を怠らないようにし、異常がみられたら中断します。また、挿入が困難な場合は無理に実施しようとせずに医師に相談します。

(1)外尿道口の位置を確認します。

(2)利き手でカテーテルをもち、患者さんに口で深呼吸をしてもらいながら、やや下向きに4~5cm、慎重に挿入していきます。
▼どうして?
深呼吸によって尿道括約筋が弛緩し、カテーテルの挿入がスムースになります。

導入カテ挿入女性

カテーテルが膀胱内に達すると尿が排出されます。
▼ここに注意!
尿が排泄されない場合、膣に挿入された可能性があります。カテーテルを抜去し、再び消毒を行い、新しいカテーテルで挿入します。外尿道口がどうしても確認しにくい場合は、同じ部位に挿入しないために誤挿入したカテーテルを抜去せず、新しいカテーテルで挿入し直します。

(3)カテーテルが膀胱内に達すると、尿が流出します。さらに2~3cm、奥に挿入します。
▼どうして?
尿が流出した段階では、バルーンはまだ尿道内にあります。尿道内でバルーンを膨らますと、尿道を損傷します。そのため、バルーンを膀胱内まで確実に到達させます。

導尿バルーン流れ1

13 バルーンを膨らませる

(1)小陰唇を開いていたほうの手で、カテーテルを支えます。

(2)もう片方の手で滅菌水を注入し、バルーンを膨らまします。

14 留置されているか確認を行う

(1)カテーテルを軽く引いて、抜けないこと確認します。

(2)引いた分(1~2cm)挿入してカテーテルを戻します。
▼どうして?
膀胱の出口にバルーンが接していると、圧迫されて患者さんが尿意や不快を感じることがあります。

導尿バルーン流れ2

15 陰部の清拭を行う

(1)タオルで陰部を清拭します。
▼どうして?
消毒薬がついたままだと、皮膚がかぶれることがあります。

16 カテーテルの固定を行う

(1)カテーテルにややゆとりをもたせて、大腿の前面にテープで固定します。
▼どうして?
男女ともに、カテーテルにゆとりがないと、体動のたびにカテーテルが引っ張られて、抜去しやすくなったり、尿道粘膜が摩擦によって損傷される危険性があります。
女性の場合、膣から離すことで、膣分泌物によるカテーテル汚染を防ぎます。
▼ここに注意!
カテーテルの固定には肌にやさしいテープなどを使用し、テープによる皮膚障害を防ぎます。

導尿固定 女性

17 蓄尿バッグを設置する

(1)蓄尿バッグを膀胱よりも低く、かつ床につかない位置に取り付けます。
▼どうして?
膀胱よりも蓄尿バッグを高い位置に置くと、蓄尿バッグ内の尿が逆流してしまいます。また、蓄尿バッグが床に接していると排尿口が汚染される恐れがあります。これらは尿路感染症の原因となります。

(2)蓄尿バッグに必要な情報(患者さんの氏名や日時など)を書き入れます。

(3)蓄尿バッグの尿がみえないように、カバーで覆います。
▼どうして?
患者さんの羞恥心に配慮し、尿が他人の目に触れないようにします。

(4)患者さんに、体動の制限はないがカテーテルを引っ張らないように注意すること、カテーテル固定のテープの外れ、カテーテルの外れ、カテーテルに対する異物感がみられたら、看護師に連絡してもらうことを伝えます。

(5)水分制限がない患者さんの場合、飲水を勧めます。
▼どうして?
尿の停滞や逆流が生じるのを防ぐために、なるべく尿量を確保します。尿が流れれば、尿道内を洗い流すことになり、感染を防ぐ助けになります。

次は男性の場合について解説します。

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