膀胱洗浄の目的と手順〜根拠がわかる看護技術
- 公開日: 2018/3/11
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膀胱洗浄とは
膀胱洗浄とは、主に膀胱留置カテーテルを留置中の患者さんを対象として、カテーテルを使用して膀胱内を洗浄することをいいます。膀胱洗浄には、生理食塩液をシリンジで注入して洗浄を行う用手膀胱洗浄と、生理食塩液を持続的に滴下して洗浄を行う持続膀胱洗浄があります。
かつて膀胱洗浄は、尿路感染予防を目的として行われていました。しかしながら、膀胱洗浄が細菌を減少させるというエビデンスがないとされることから、「カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防のためのCDCガイドライン」や「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」(日本泌尿器科学会)では、尿路感染予防目的の膀胱洗浄は推奨されていません。そのため、現在では膀胱洗浄を行う頻度は減少しています。
膀胱洗浄はどんなときに行われる?
泌尿器疾患の手術後など、カテーテルが血塊や浮遊物で閉塞する可能性があるときには、閉鎖式の持続的膀胱洗浄を行うことがあります。
また、代用膀胱の造設時、腸液などの浮遊物を取り除く場合に行われることがあります。いずれにしても、膀胱洗浄は感染予防ではなく、治療上必要な場合にのみ実施されます。
実施の際の注意点
膀胱洗浄はあくまで医療的処置であり、必ず医師の指示のもと行われます。患者さんの状態によって、生理食塩液の量や環流時間が異なりますので、医師の指示どおりに実施しましょう。
持続的膀胱洗浄の方法
感染を防ぐために無菌操作で行います。看護師は滅菌手袋、ビニールエプロンを着用します。
洗浄液には、生理食塩液を使用し、抗菌薬や消毒薬は使用しません。特に抗菌薬の使用は、薬剤耐性菌を生じさせる原因となります。
また、閉鎖式導尿システムを維持するために、3wayのカテーテルを使用します(図)。
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