1. トップ
  2. 看護記事
  3. 診療科から探す
  4. 泌尿器科
  5. 泌尿器疾患
  6. 膀胱洗浄の目的と手順〜根拠がわかる看護技術

【連載】190

膀胱洗浄の目的と手順〜根拠がわかる看護技術

  • 公開日: 2018/3/11
  • 更新日: 2020/3/26

関連記事
* 【尿道留置カテーテル関連編】一番効果のある感染防止策は?
* 陰部洗浄の目的・手順・観察項目〜根拠がわかる看護技術


膀胱洗浄とは

 膀胱洗浄とは、主に膀胱留置カテーテルを留置中の患者さんを対象として、カテーテルを使用して膀胱内を洗浄することをいいます。膀胱洗浄には、生理食塩液をシリンジで注入して洗浄を行う用手膀胱洗浄と、生理食塩液を持続的に滴下して洗浄を行う持続膀胱洗浄があります。

 かつて膀胱洗浄は、尿路感染予防を目的として行われていました。しかしながら、膀胱洗浄が細菌を減少させるというエビデンスがないとされることから、「カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防のためのCDCガイドライン」や「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」(日本泌尿器科学会)では、尿路感染予防目的の膀胱洗浄は推奨されていません。そのため、現在では膀胱洗浄を行う頻度は減少しています。

膀胱洗浄はどんなときに行われる?

 泌尿器疾患の手術後など、カテーテルが血塊や浮遊物で閉塞する可能性があるときには、閉鎖式の持続的膀胱洗浄を行うことがあります。

 また、代用膀胱の造設時、腸液などの浮遊物を取り除く場合に行われることがあります。いずれにしても、膀胱洗浄は感染予防ではなく、治療上必要な場合にのみ実施されます。

実施の際の注意点

 膀胱洗浄はあくまで医療的処置であり、必ず医師の指示のもと行われます。患者さんの状態によって、生理食塩液の量や環流時間が異なりますので、医師の指示どおりに実施しましょう。

持続的膀胱洗浄の方法

 感染を防ぐために無菌操作で行います。看護師は滅菌手袋、ビニールエプロンを着用します。

 洗浄液には、生理食塩液を使用し、抗菌薬や消毒薬は使用しません。特に抗菌薬の使用は、薬剤耐性菌を生じさせる原因となります。

 また、閉鎖式導尿システムを維持するために、3wayのカテーテルを使用します(図)。

持続的膀胱洗浄

必要物品

  • 生理食塩液(量は医師の指示による)
  • 3wayカテーテル
  • 輸液ポンプ
  • ポンプ用輸液ルート(洗浄用点滴ルート)
  • 点滴スタンド
  • 防水シーツ
  • 滅菌カップ
  • 滅菌手袋
  • ディスポーザル手袋
  • ビニールエプロン

患者さんの準備

1 持続的膀胱洗浄の実施について説明し、同意を得ます。

2 洗浄中は、腹圧をかけないようにし、屈曲した体位をとらないように伝えます。

3 ベッドに防水シーツを敷きます。
どうして?:洗浄中にカテーテルの接続部が外れる可能性があるためです。

手順の例

※ここではすでに3wayカテーテルが挿入されていることを前提に説明をします。

1 手指衛生を実施後、エプロンを着用し、ディスポーザル手袋を装着します。

2 生理食塩液に洗浄用点滴ルートを接続し、輸液ポンプにセットします。

3 輸液ポンプを医師の指示した速度に設定します。

4 手袋を滅菌手袋に交換します。
どうして?:3wayカテーテルの接続を無菌操作で行うためです。

5 洗浄用点滴ルートを3wayカテーテルの洗浄用注入口に接続します。

6 生理食塩液の滴下を開始します。

7 実施中は、定期的に以下を観察します。異常があれば、医師に報告します。

  • バイタルサイン(出血性ショックのリスクも考慮)
  • 患者さんからの腹部膨満感、不快感、膀胱刺激症状などの訴え
  • 尿の性状(血塊の有無・混濁の程度など)・色  血尿がある患者さんの場合:ランニングチューブ内の尿のチェック(血尿スケールで評価)
  • 尿量の算出(尿量=排泄量-注入量)  尿量が注入量より少ない場合:カテーテルの閉塞やランニングチューブの屈曲や圧迫の可能性。

関連記事
* 【尿道留置カテーテル関連編】一番効果のある感染防止策は?
* 陰部洗浄の目的・手順・観察項目〜根拠がわかる看護技術