希釈液の濃度計算を攻略する!
- 公開日: 2018/1/1
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希釈液の濃度を求めるのは、%やmlなど単位の違う数字が出てくるため、一見すると複雑に思われがちです。しかし、コツさえつかめば簡単に計算することができるため、いろいろなケースに対応できます。
まず、前提として1%とは100ml中に1gの物質が溶けている状態を指します。「○%溶液」と出てきたときは、100ml中に○gの物質が溶け込んでいるということです。
また、倍液を作るときは、
1(原液)+99(希釈水)=100(100倍液)
という考え方をします。
○倍液を作るために、原液の○倍の希釈水を使う、とすると間違った計算になってしまいます。
濃度計算のコツ~まずはこのやり方を覚えよう~
(例)10%塩化ナトリウム水溶液を用いて、0.2%塩化ナトリウム溶液を500ml作るために必要な10%塩化ナトリウム水溶液量は何mlか。
※この問題の場合、原液は10%塩化ナトリウム水溶液ということになります。
濃度を対比して求める方法
10%塩化ナトリウム水溶液を0.2%塩化ナトリウム水溶液にしているので、
10÷0.2=50
50倍に希釈していることになり、もともとの原液の量は1/50であることがわかります。そのため、塩化ナトリウム水溶液500mlを作るのに必要な原液は、
500÷50=10
となり、答えが10mlとなります。
そのほかの計算方法
濃度(%)中心に薬液量計算を行う方法
※わからない部分はXとする
※原液の濃度(%)×薬液量(ml)=希釈液の濃度(%)×希釈液量(ml)
上記の計算方法に当てはめると、10%塩化ナトリウム水溶液の必要な量がわかっていないので、
10×X=0.2×500
10X=100
X=10
となり、答えが10mlと出ます。
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