【連載】排尿自立指導料導入で増える!変わる!排尿ケアでできること
第3回 排尿機能に関する情報を収集しよう|病棟看護師に求められる排尿の管理とケア①
- 公開日: 2018/8/12
排尿ケアにおいては、所属する医療機関や病棟によって実践されている内容が異なることが少なくありません。ここからは、排尿自立指導の導入時にも必要とされるアセスメント・評価とケアの実際について、埼玉医科大学国際医療センターの実践をもとに具体的方法を解説します。
排尿日誌をつける・読む
排尿日誌は、現在の排尿の状況やパターンを知るうえで欠かせない記録です。簡便かつ非侵襲的であり、排尿状態を客観的に分析・評価することが可能です。排尿日誌をつけることで、診断やアセスメントに活用できるほか、適切なケア用品の選択、排泄誘導や訓練、退院後の指導に役立てることができます。
排尿日誌を記載する目的は、飲水と排出のバランス、排泄の状況を把握すること、失禁の状況や飲水量、1回排尿量と1日の総排尿量、排尿回数、尿意切迫感の有無や程度を知ることです(図3-1)。使用する記録用紙については、医療機関ごとに自作しても問題ありません。日本排尿機能学会では排尿日誌作成委員会によるPDF版を公開しているので、Webサイト*からダウンロードすることもできます。
*日本排尿機能学会(2017年4月10日閲覧)http://japanese-continence-society.kenkyuukai.jp/
排尿日誌のつけ方
排尿日誌は、最低24時間連続して記録し、できれば3日以上継続することが理想です。記録する内容には、「排尿時刻」「1回排尿量」「尿意の有無」「失禁量」「失禁の状況」「飲水量」などがあります。導尿した場合には自尿量と導尿量を区別して記入するようにします。
失禁量については、パッドやオムツの重さから使用前のパッドやオムツ本体の重さを除いた量を記録します。排尿量と失禁量は区別しておきましょう。図3-2に当院が使用している排尿日誌の用紙とその記入例を示します。
排尿日誌の注意点
排尿日誌をつける場合、24時間連続して尿量をチェックすることになります。夜間は転倒・転落に注意しましょう。また、患者さん自身が尿量測定をする場合は、目盛りのある計量コップなどを用意し、測定しやすい方法を検討することも必要です。
Column どのような排泄用具を使えばいいの?
当院では、尿量測定をする場合、計量コップを使用しています。計量コップでうまく採尿できない場合には、洋式便座やポータブルトイレなどに設置可能な尿量測定容器を使用するとよいでしょう。当院でも今後、便座と便器の間に挟んで使用する採尿容器「ユーリパン(アズワン)」の導入を予定しています。ユーリパンは、ディスポーザブルの商品です。