手術室での患者さんの体温変化と体温管理の必要性
- 公開日: 2018/11/21
手術看護の中に重要な項目として〝体温管理〟があります。安全な麻酔のためのモニター指針(2014)という日本麻酔科学会の指針の中に、麻酔中のモニター指針として〝体温測定を行うこと〟とあります。換気や循環のチェックなどについて麻酔科医師と同等に話をすることは難しいかもしれませんが、体温管理は看護師にとっても身近な存在であり、積極的にかかわっていけるモニタリングの一つではないかと思います。今回はその〝体温管理〟についてお話していきます。
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全身麻酔下では体温調節反応が抑制される
人間には体温調整機序として体温調整中枢が視床下部という部分にあり、その働きにより体温が一定に保たれています。細胞が正常に機能するためのさまざまな酵素が作用する至的温度が37度とされていて、外部環境である〝温度〟が変化しても、脳のほか重要臓器の温度(核心温・中枢温)が一定に保たれるようになっています。
体温調整の方法として、体内・体外の温度変化に誘発されて熱放散や熱産生の調節に有効な行動をとる行動性体温調整と、身体の中で生体が熱を作り出すこと(熱産生)と熱を体外に放出すること(熱放散)のバランスによって体温を調整する自律性体温調節の2つの方法があります。
全身麻酔は、自律性体温調節に対して大きく影響します。
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