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【連載】公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 医療安全情報

2006年から2009年に提供した医療安全情報

  • 公開日: 2010/1/4
  • 更新日: 2020/10/21

目次

2010年にも類似事例が発生しています

No.1 インスリン含量の誤認~バイアルの「100単位/mL」という表示を誤認し、過量投与に伴い低血糖をきたした事例~ 1件

 医師は、インスリン静脈内持続投与の際、「ヒューマリンR50単位+生食50ml(1単位=1ml)1ml/h」と指示した。看護師Aは、「ヒューマリンR注100単位/ml50単位」という処方箋の記載を見て「100単位/ml」を「100単位10ml」と勘違いし、「50単位は5ml」と計算した。処方箋と薬剤を看護師Bと確認したが、看護師Bは同指示の作成経験がなく、そのまま準備、開始した。3時間半後、患者の血糖値が51mg/dlであったため確認したところ、インスリン5ml(500単位)を混注していることが判明した。
 
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No.2 抗リウマチ剤(メトトレキサート)の過剰投与に伴う骨髄抑制~抗リウマチ剤(メトトレキサート)の過剰投与に伴い骨髄抑制をきたした事例~ 2件

 医師は、関節リウマチの患者にリウマトレックスカプセルの投与を開始した。3週間分の処方をするために、週に1回3日分を入力すべきところ、曜日指定を入力し忘れ21日間連日投与の入力となった。患者には週1回の投与であると口頭で説明し、処方箋を発行した。院外薬局からも、疑義照会はなかった。薬剤師から内服方法の説明はなく、患者は処方通りにリウマトレックスカプセルを連日服用した。患者は、歯肉出血等が出現したため、自己判断で内服を中止した。主治医は、3週間後に患者が来院した際に初めて処方ミスに気付いた。(他1件は医療安全情報No.45(2010年8月)第2報提供後の事例です。) 
 

No.3 グリセリン浣腸実施に伴う直腸穿孔~グリセリン浣腸に伴い直腸穿孔などをきたした事例~ 5件

 患者の摘便を施行したが、十分に努責をかけられないため、トイレ内で臀部を突き出すような姿勢でグリセリン浣腸を施行した。その後、翌朝にかけて下血を認めた。(他4件)
 

No.4 薬剤の取り違え~薬剤の名称が類似していることにより取り違えた事例~ 1件

 医師は、救急外来を受診した患者に対して、生食100mL+メチコバール1A+ノイロトロピン1Aの指示を電子カルテに入力した。薬剤師は、生食100mLとメチコバール、ノイトロジンを払い出した。看護師は、混注の際、注射指示と薬剤名が違うことに気付き、医師に確認した。医師が、バイアルを確認しないまま「それでいいよ」と言ったため、看護師は、似た名前の後発医薬品だと思い点滴に混注し、実施した。
 

No.5 入浴介助時の熱傷~入浴介助の際、湯の温度を直前に確認しなかったことにより熱傷をきたした事例~ 2件

 患者は、シャワーが高温の設定になっていたことに気付かず、また、シャワーヘッドが患者に直接あたる向きであることを確認しないまま、給湯レバーを上げた。約70度のお湯が患者の右肩部にかかり、熱傷を生じた。(他1件)
 

No.6 インスリン単位の誤解~インスリンの「単位」を「mL」と誤解し、過量投与に伴い低血糖をきたした事例~ 1件

 看護師Aは、指示のノボリンR注「4単位」を看護師Bと確認し、ツベルクリン用注射器を使って準備した。看護師Aが患者にインスリンを注射中、看護師Cは、インスリン専用注射器を使用していないことに気付いた。確認したところ、ツベルクリン用注射器に「0.4mL(40単位)」のインスリンを準備し、実施したことがわかった。
 

No.7 小児の輸液の血管外漏出~薬剤添付文書上、輸液の血管外漏出に関する危険性の言及の有無にかかわらず、小児に対する点滴実施の際、輸液の血管外漏出により、治療を要した事例~ 8件

 医師は、患児の左手背に24G留置針で血管確保した。その後、シーネで固定し、輸液ポンプを使用し、ソルデム3Aを35mL/hにて輸液した。看護師は、2時間毎に滴下と輸液ポンプの作動状況を確認していたが、点滴部位は包帯で覆われており観察が十分にできなかった。翌日、シーネ固定の巻き替えの際に、左上肢全体の腫脹と左手背の一部白色化を発見した。(他7件)
 

No.8 手術部位の左右の取り違え~手術部位の左右を取り違えた事例~ 5件

 医師Aは、右慢性硬膜下血腫の患者の画像所見を確認したが、カルテと手術申込書に「左」と記入した。手術室の外回りの看護師は、手術申し込みが「左」と記入されていたため、左だと思い込んだ。執刀医の医師Bは、右頭部の皮膚を切開すべきところ、左頭部の皮膚を切開した。(他4件)
 

No.9 製剤の総量と有効成分の量の間違い~製剤の総量と有効成分の量との誤認による事例~ 2件

 主治医は、紹介状に記載されていた「10%フェノバルビタール散0.5g/日」を処方する際に、「mg」処方の場合には力価、「g」処方の場合には倍散で処方という院内の取り決めを知らず、「フェノバール10%500mg/日 5日分」とオーダーした。電子カルテに常用量オーバーのメッセージが出たが、医師は紹介状を再確認し、そのまま処方した。薬剤師は、当該薬品を「5g 5日分」秤量し、交付した。次の処方の際、処方鑑査で過剰投与がわかった。(他1件)

No.10 MRI検査室への磁性体(金属製品など)の持ち込み~MRI検査室内への磁性体(金属製品など)の持ち込みに伴う事例~ 5件

 医師は、技師と共に患児に磁性体がついていないか確認し、MRI検査室へ搬送した。その際、点滴スタンドが非磁性体(MRI用)か磁性体かは判別していなかった。ガントリー内部に患児が進入した際に、点滴ルートが引っ張られたため、点滴スタンドをガントリーに近づけた瞬間、点滴スタンドがMR装置に吸着した。(他4件)

No.11 誤った患者への輸血~輸血用血液製剤を接続する際に、患者と使用すべき薬剤の照合を最終的に行わなかった事例~ 2件

 患者Aに輸血用血液製剤を投与することになった。本来、輸血時は、指示オーダー、施行者、患者のネームバンドの3点を認証する運用となっていたが、患者Aにはネームバンドが付いていなかった。そのため、看護師Bはネームバンドの替わりに診察券のバーコードを用いて、患者Aから離れた場所で認証した。その後、患者Aの輸血を投与する際に、誤って隣のベッドの患者Cに輸血を開始した。投与開始直後、看護師Dが間違いに気付いた。(他1件)

No.15 注射器に準備された薬剤の取り違え~手術・処置等の際、複数の注射器にそれぞれ薬剤名を表示して準備していたにも関わらず、確認を怠ったことにより、取り違えた事例~ 1件

 看護師Aは、患者Bのヘパリンロック液を使用後、患者名、日付等を記入し冷蔵庫のトレイに保管した。看護師Cは患者Dのヘパリンロック液を使用後、同じトレイに保管する際、患者Bのヘパリンロック液残液を患者Dのものと思い込み、名前を確認せず廃棄し、患者Dのヘパリンロック液をトレイに保管した。看護師Aは、患者Bの輸液終了後、冷蔵庫のトレイに残っていたヘパリンロック液の患者名を確認せず1mL弱注入した。その際、保管した残量と違う事に気付いた。

No.17 湯たんぽ使用時の熱傷~湯たんぽを使用した際、熱傷をきたした事例~ 2件

 看護師は、カバーに入れバスタオルを巻いた湯たんぽを準備し、患者の下肢を温めた。夜間、患者が下肢の痛みを訴え、看護師が確認すると約2cmの水疱が形成されていた。(他1件)

No.19 未滅菌の医療材料の使用~誤って未滅菌の医療材料を準備・使用した事例~ 2件

 看護師Aは、滅菌済の専用台車を滅菌前のものと思い、滅菌後に色が変色するシールを貼付した未滅菌のコンテナを搭載した。その後、看護師Bは滅菌済の専用台車を清潔区域に運び入れ、シールの色の変化の確認を行わず、コンテナを収納した。手術前日、委託職員が物品の準備を行った際も、シールの確認をしなかった。手術当日、器械出し看護師Cは、手術室内に準備してあったコンテナのシールの色を確認せず開封した。看護師Dは、コンテナ内にあった定数表を手術室の壁に貼付したが、その際にもシールを確認しなかった。手術開始1時間後、外回り看護師Eは、定数表の用紙が滅菌済の状態に変化していないことに気付き、定数表の裏に貼付されていたシールの色を確認したところ、コンテナが滅菌されていないことが判明した。(他1件)

No.20 伝達されなかった指示変更~関連する部署に指示変更が伝わらなかったため、変更前の指示が実施された事例~ 5件

 患者は、化学療法目的で入院中、白血球減少症治療薬を注射していた。白血球の増加がみられたため、医師は中止の指示を出したが、処方箋の中止処理を行わなかった。看護師は、前日の白血球の増加は確認していたがオーダーは確認せず、処方箋と薬剤が存在していたため、「注射がある」と思い込み実施した。実施サインを入力する際に、中止であることに気付いた。(他4件)

No.22 化学療法の治療計画の処方間違い~化学療法の際、治療計画を間違えて投与した事例~ 1件

 放射線治療を行っていた食道癌の患者に対し、化学療法のハンドブックのプロトコルを参考に、主治医が化学療法の注射薬の処方を行った。1、2週連続で投与するプロトコルの予定であったが、1週と5週で行うプロトコルの用量を参照し、2週間連続して投与した。他科の医師から薬剤量が多いと指摘を受け、間違いに気付いた。

No.23 処方入力の際の単位間違い~処方入力の際、薬剤の単位を間違えたことにより過量投与した事例~ 4件

 朝の採血でカリウムが高値であったため、グルコース・インスリン療法を予定した。医師は、ヒューマリンRをオーダーする際に単位を確認せず、「8単位」にするところを誤って「8mL」とした。担当看護師は、インスリンは初めて使用する薬剤であり、投与量について知識がないまま準備、投与した。その後、低血糖を認め、オーダー間違いに気付いた。(他3件)

No.24 人工呼吸器の回路接続間違い~人工呼吸器の回路接続を間違えた事例~ 1件

 手術室から気管挿管し帰室した患者に、医師はMEが組み立てた人工呼吸器を装着した。翌日、加湿器の蒸留水は減少していたが、回路内に水滴が付着していなかった。回路を点検したところ、回路の吸気と呼気が反対に組み立てられていることに気付いた。
 

No.27 口頭指示による薬剤量間違い~口頭指示の際、薬剤の単位や量、希釈の条件を明確に伝えなかったため、薬剤量を間違えた事例~ 6件

 看護師は、ペンタジンを1/2Aを準備した後、「ドルミカム2mLと生理食塩水8mLで10mLにして下さい」と指示を受け準備を行った。その後、医師から「ペンタジン1/2A静注」と指示があり、看護師は復唱して実施した。次に、医師が「ドルミカム2mL」と指示した際、看護師は指示を聞き漏らしたが、復唱せずにドルミカムを注射した。医師が「何mL入れているのか」と質問した時には、既に8mL注入していた。(他5件)
 

No.29 小児への薬剤10倍量間違い~小児に対する処方の際、薬剤量を10倍間違え、過量投与した事例~ 2件

 医師は、オーダリングシステムでテグレトールを25mg/日で処方するところ、250mg/日と入力した。薬剤師は薬剤鑑査時、処方量が多いと認識していたが、専門医であれば使用する量と判断し医師に問い合わせず調剤した。次の受診時、テグレトール(CBZ)の血中濃度が高値であったが、医師は過量に気付かず、次回の処方を半分量の125mgとして処方した。処方変更後も患者の眠気が続いている為、医師がオーダーを見直したところ10倍量のテグレトールを投与していたことに気付いた。(他1件)
 

No.30 アレルギーの既往がわかっている薬剤の投与~診療録の決められた場所に薬物アレルギー情報の記載がなかったため、禁忌薬剤を投与した事例~ 9件

 患者は、頭痛に対し鎮痛剤を希望した。看護師は、当直医に報告し、カルテを確認しながら病名等を伝えた。この際、禁忌薬剤欄に記載はなく、カルテの枠外に「AIA」(アスピリン喘息)と記載され赤丸表記してあったが伝えなかった。当直医は、常備薬のロキソニンの服用を指示し、看護師は与薬した。(他8件)

No.32 ウォータートラップの不完全な接続~人工呼吸器回路のウォータートラップのカップの接続が不完全であったため、患者の呼吸状態が一時悪化した事例~ 1件

 患者に使用していたサーボ900Eのウォータートラップの貯留水を廃棄し再接続した後、ウォータートラップを下方に引いて接続を確認した。1時間後、心電図モニターのアラームで訪室した。患者にチアノーゼを認め、人工呼吸器の分時換気量が「0」を示していた。他の人工呼吸器に交換したところ、患者の状態は改善した。最初に使用していた呼吸器の吸気側のウォータートラップは外観に問題は無いように見えたが、触ると接続が不完全な状態であった。

No.33 ガベキサートメシル酸塩使用時の血管外漏出~ガベキサートメシル酸塩を投与する際、添付文書の「用法・用量に関する使用上の注意」に記載されている濃度を超えて使用し、輸液が血管外へ漏出した事例~ 2件

 CVカテーテルが入らず、前日より使用していた左前腕の点滴の確認が不十分なまま、レミナロン1000mgを5%ブドウ糖250mlに溶解した輸液を投与した。投与中、刺入部の変化はなかったが、3時間後、右手に新しいライン確保ができたため、レミナロンをつなぎ変えた。翌日、左前腕部の皮膚が黒色に変化し、その後、壊死した。添付文書によると「末梢血管から投与する場合、レミナロン100mgあたり50mL以上で点滴静注することが望ましい」と記載があった。(他1件)


参照:No.55:「2006年から2009年に提供した医療安全情報」(PDF形式)
情報提供:公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部


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