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[診療報酬] 勤務環境改善への取り組み、診療報酬でさらに評価を 厚労省

  • 公開日: 2019/9/26

 厚生労働省は25日の中央社会保険医療協議会・総会で、医療機関での勤務環境の改善につながる取り組みを診療報酬でさらに評価することなどを提案した。

この案に対して異論はなかったが、時間外労働の上限規制が一般の勤務医に適用される2024年度にかけて、医師の働き方改革の進み具合を確認しながら段階的に診療報酬で評価すべきだとの意見が出た。中医協では今後、勤務環境改善への取り組みに関する評価の在り方を複数回にわたって議論する。 

 医療機関での勤務環境の改善を巡っては、これまで診療報酬で、病院に勤務する医師の負担の軽減や処遇改善につながる体制整備への評価を行ってきた。また、医師事務作業補助体制加算といった他職種へのタスク・シフティングにつながる体制の整備を評価したり、診療報酬の各項目で常勤要件の明確化やその他の要件の見直しを行ったりしてきた。 

 ただ、24年度から一般の勤務医の時間外労働の上限を年960時間とし、これとは別に地域医療の確保のために暫定的に定める特例水準として上限を年1,860時間などとする規制が適用されることから、それまでに各医療機関は自院の状況を分析した上で労働時間の短縮に向けて計画的に取り組む必要がある。 
 そのため、厚労省は25日の総会で、20年度予算の概算要求の状況や従来の診療報酬上の対応を踏まえ、医療機関での勤務環境改善につながる取り組みへの評価の在り方を論点に挙げた。 

◆オンライン診療の普及で意見分かれる 
 議論では、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が、勤務医の時間外労働の上限規制が適用される24年度までに3回の診療報酬改定があるとし、その間の医師の働き方改革の進み具合を見ながら診療報酬改定で段階的に対応すべきだと提案した。また、次回の20年度改定での対応策として、「業務効率化を推進するための要件緩和」「常勤要件の緩和」「紹介状なしで大病院を受診した際の定額負担の対象病院の拡大」「オンライン診療の普及に向けた要件の緩和」などを挙げた。 

 これに対して松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「オンライン診療では月に1回、患者を診ることが大事で、それをなくして在宅医療はできない。オンライン診療だけで業務を効率化するのは無理だ」と主張した。今村聡委員(同副会長)も、通常のオンライン診療では医療者側の負担は対面診療と変わらない上、医療者にとってオンライン診療の方が対面診療よりも拘束時間が長くなることがあると説明。オンライン診療の実施は働き方改革に必ずしも直結しないと述べた。

(厚生政策情報センター)

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