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[診療報酬] 総合入院体制加算の要件、「機能分化に逆行」との意見も

  • 公開日: 2019/9/28

 厚生労働省は26日に開かれた中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」で、総合入院体制加算を届け出ている医療機関は3割程度とする調査結果を公表した。

多くの医療機関が、精神病床の整備といった同加算の要件を満たすのが困難だと認識していることも分かり、分科会では同加算の要件について「機能分化に逆行している」との意見が出た。 

 厚労省が公表したのは、2020年度の診療報酬改定の検討に向けた19年度調査の結果(速報)。それによると、777医療機関のうち、総合入院体制加算1(240点)の届出施設は約4%で、同加算2(180点)では約12%、同加算3(120点)では約10%だった。届け出ていない施設は約74%。 
 同加算2・3の届出施設と届け出ていない施設に対し、満たすのが困難な要件を聞いたところ、「精神病床を有しており、精神病棟入院基本料等を届け出て、現に精神疾患患者の入院を受け入れている」と回答した割合が最も高かった。 

 議論では、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)が、「総合入院体制加算は、総合的にどれだけできるかということだが、地域医療構想で(病床の)機能分化の話が進んでいる」と指摘。その上で、多くの医療機関が挙げた困難な要件を満たそうとすると、病床の機能分化と逆行することになるとの懸念を示した。尾形裕也分科会長(九州大名誉教授)も、「この加算には複数の目的があり、総合化と機能分化を図ることだ。ただ、総合化と機能分化は矛盾する面がある」と述べた。 
 このほか、精神病床を持つのは経営的に大きな負担になることから、そのような体制を備える医療機関への評価を求める声も上がった。 

(厚生政策情報センター)

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