【急性期の褥瘡】経過観察とケア
- 公開日: 2012/5/21
急性期と慢性期の褥瘡では、創を見るための視点がことなります。まずは、急性期の褥瘡から、アセスメントのポイントを解説していきます。
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急性期の褥瘡の経過とケア
褥瘡が発生した直後から、1~3週間を急性期といいます。創の色は薄いピンクや赤い、黒い創が混在していることが多く、炎症で痛みを伴うことが多いのも特徴です。主に発赤から始まり、浅い、または深い褥瘡として慢性化していく経緯をたどります。
慢性化せずに治癒させるために、最も不可欠な治療は原因の追求とその除去です。まずは原因となっている圧迫を除去する必要があります。
そして、ドレッシング材で創を保護するなど、適切な治療を行います。しかし、適切なドレッシング材を使用したとしても、ずれが起こるような体位(ファーラー位など)の調整では、テンション(張力)がかかってしまい、さらに悪化する可能性があるため注意します。
急性期は局所病態が不安定で、大きさや輪郭、深さが分かりにくい時期です。真皮までの浅い褥瘡にみえることが多いのですが、血流の阻害による障害がどのくらいの深さに達しているかがわからず、一見浅い褥瘡にみえたとしても、あとで深い褥瘡(皮下組織までの損傷)であると判明することがあります。
【創の見方のポイント】
1. 発赤の見極め
2. 炎症の観察
3. 「DTI疑い」を念頭におく
4. 局所病態が不安定なので、毎日の観察が必要
次からはポイントで挙げたものを一つずつ具体的に解説していきます。