第11回 最近の人工呼吸管理の動向
- 公開日: 2010/3/5
今回は人工呼吸管理の問題点を復習し、最近の人工呼吸管理の動向について解説いたします。
Q: 人工呼吸管理における問題点は何ですか?
A: 合併症とそれに伴う人工呼吸からの離脱(ウイニング)の遷延です。
人工呼吸は陽圧換気であること、人工気道を留置した換気であること、臥床を強いられることなど、全てが非生理的である事からくる合併症の発生が最大の問題点となります(シリーズ第5回人工呼吸管理中の合併症参照)。 非生理的な陽圧換気下では、患者の呼吸筋を休ませ酸素化や換気の改善が出来る反面、呼吸筋そのものの廃用性委縮を起こしたり肺の換気と血流の不均衡による無気肺を生じたりと不利益な事も同時に起こります。
またARDSの様な急性呼吸不全の患者の場合では、呼吸器そのものが肺に障害を与える急性肺障害(VILI)の予防に焦点をあてた呼吸管理方法(肺保護換気戦略:Open lung strategy)も主流になっています(第5回人工呼吸管理中の合併症参照)。
この戦略の中でも自発呼吸を極力温存し、人工呼吸器による強制換気の要素を少なくした管理が行われることが多くなりました。
Q: 自発呼吸は人工呼吸管理の妨げとなるのでむしろ抑制すべきではないでしょうか?
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