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【連載】急変対応マニュアル

心原性ショックとは?症状・看護のポイント

  • 公開日: 2013/12/25

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急変時の対応


急変症状の中でも「ショック」にはさまざまな原因があり、その見極めを覚えておくことは重要です。ここでは見極めのポイントとそのとき看護師は何をすべきかを解説します。


心原性ショックとは?

 心臓が障害されたために、収縮や拡張をして血液を送り出しているポンプ機能が低下または不全となり、血液を送り出せないとともに、心臓に戻ってきた血液を受け止められないために生じるショックです。

その他のショックについてはこちら
* ショックの定義、症状、診断基準と見極め

 心原性ショックはその原因により大きく下記3つに分けられます。

(a)心筋性
   * 心筋梗塞
   * 拡張型心筋症

(b)機械性
   * 僧帽弁閉鎖不全症
   * 心室瘤
   * 心房中隔欠損症
   * 大動脈弁狭窄症
   
(c)不整脈

心原性ショックの仕組み説明図
図1 心原性ショックの仕組み

 心原性ショックかどうかは、米国の国立心肺血液研究所心筋梗塞研究部の診断基準をもとに診断されることが多いようです。

心原性ショックの診断基準(MIRU)

1.収縮期血圧90mmHg未満、または平時より30mmHg以上の低下
2.血流減少による以下の症候(臓器循環障害)をすべて認める
(1)尿量20mL/時未満
(2)意識障害
(3)末梢血管収縮(冷たい湿潤した皮膚など)

米国国立心肺血液研究所(NHLBI:National Heart, Lung, and Blood Institute)
心筋梗塞研究部(MIRU:Myocardial Infarction Research Unit)

心原性ショックの基本対応

 まずは気道の確保と酸素投与を行い、カテコラミン(強心薬)投与を行います。第1選択薬としては、ドブタミンを使用することが多いようです。

 そして、以下の対応を行っていきます。

(1)心拍数の調節

 不整脈(頻脈性・徐脈性)を正常な状態に戻すため、可能であればスワンガンツカテーテルを挿入し、心機能をモニターしながら薬剤を投与してコントロールします。

(2)心筋収縮力を増大

 よく使用されるカテコラミンはイソプロテレノール、ドブタミン、ドパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンの5つですが、この中から心筋収縮力の働きのあるβ作用の強い薬剤を選択します(図2参照)。

(3)前負荷の調節

 前負荷とは、心臓が血液を受け入れる際の負荷のことです。心臓に帰ってくる血液が多ければ、前負荷が増大することになります。例えば出血や脱水で、循環血液量が減少している場合は、輸血や輸液などで心臓に帰ってくる血液量を増加させて、前負荷を増大させます。軽減するためには利尿剤を使用します。

(4)後負荷の調節

 後負荷とは心臓が血液を押し出す際の負荷のことです。例えば動脈硬化があると動脈の血管収縮が起こり、後負荷が増大します。ノルアドレナリンを使用して末梢の血管を収縮させることで、後負荷を増大させることがあります。軽減するためには、大動脈内バルーンパンピング(IABP)を行います。

カテコラミンの種類
図2 カテコラミンの種類

原因別の対応

(a)心筋性

 心筋梗塞など心臓全体の異常から心筋が正常に機能しなくなったために起こるショックです。特に注意を求められるのが、不安定狭心症や心筋梗塞などの急性冠症候群(ACS)です。急速に心停止に至ってしまうので、ACSが疑われたら12誘導心電図によりSTの変化で見極めます。そして、決められた流れで早急に対応します(図3参照)。

(b)機械性

 心臓の4つの弁が何らかの理由で機能不全となって生じるショックです。心臓には肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁、大動脈弁の4つの弁がありますが、特に重要なのが、血液を押し出す上で重要な僧帽弁と大動脈弁です。これらが正常に機能しないと、血液を押し出せなくなり、血液が逆流してしまいます。その結果、急速な経過でショックに陥ります。

(c)不整脈

 心室頻拍(VT)、心室細動(VF)、洞機能不全症候群(SSS)などの不整脈により、心拍出量が低下してショックが起こります。不整脈でも血圧が正常に近ければそれほど心配はありませんが、低い場合は危険です。脈が触れないVTやVFのときは、すぐに心肺蘇生を開始します。

ACSへの対応の流れ
図3 ACSへの対応の流れ

(『ナース専科マガジン』2012年6月号より転載)

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