骨盤骨折をした患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2024/3/30
骨盤骨折の治療でICUに入院している患者さんに関する看護計画
骨盤骨折とは、交通事故や高所からの転落などの大きな外力が骨盤に加わることで生じる骨折です。骨盤の周辺には主要な動脈や静脈があり損傷状態によっては大量出血が生じる可能性があります。今回は骨盤骨折の治療でICUに入院している患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P ショックが生じている場合は呼吸状態や循環動態の推移を把握し、変化することがあれば、速やかに報告できるようにする。骨盤骨折の分類や治療状況を把握し、今後の方針について確認しておく。
援助計画 T-P バイタルサインの変化だけでなく呼吸回数、皮膚の冷汗、言動などの患者さんの微細な状態変化に注意を払う。安静度を踏まえつつ、モニター類や輸液ルートに配慮しながら環境を整備する。
教育計画 E-P リハビリテーションの必要性も含めて、今後の治療計画について説明する。痛みや不安があれば、いつでも話してくれるよう伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
骨盤骨折による出血でショックが生じている
看護目標
ショックから離脱して状態が安定する
観察計画 O-P
骨盤骨折の程度
合併症の程度、推移
呼吸状態の推移
循環動態の推移
疼痛の程度、推移
下肢の循環障害や神経障害の有無、程度
下肢の運動障害や感覚障害の有無、程度
尿量の推移
In-Outバランス
身体機能の変化に対する認識
薬剤の使用状況
検査データ(CRP、WBC、Dダイマーなど)
画像データ(X線、CTなど)
援助計画 T-P
呼吸状態や循環動態に留意する
意識状態を継続的に評価する
尿量に推移を確認する
適切な肢位を保つ
受傷部位やその周囲の皮膚の清潔を保つ
可能な範囲でリハビリテーションが行えるように環境を整える
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
治療計画や今後の予測を説明する
疼痛が強い場合は我慢せず医療者に伝えるように説明する
リハビリテーションの必要性を説明する
自分の気持ちを我慢せず表出してもらうように説明する
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