胃瘻を造設した患者さんの看護計画|脳血管障害の患者さん
- 公開日: 2024/3/30
脳血管障害による嚥下障害のため胃瘻を造設した患者さんへの看護計画
脳血管障害によってさまざまな症状をきたすことで日常生活に支障が生じていきます。意識障害や麻痺によって自力歩行が困難になったり、嚥下障害によって、自力での飲食が困難になることもあります。今回は脳血管障害によって嚥下障害が生じて自発的に食事が摂取できなくなり、胃瘻を造設した患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 脳血管障害の治療の状況について把握する。脳血管障害による症状がどの程度あるのか、といったことも確認する。胃瘻造設に関する状態の変化がないかを確認するとともに、患者さん家族が胃瘻を造設したことをどう受け止めているのかについても聞いておく。
援助計画 T-P 栄養剤の投与前は誤嚥のリスク低減のため、ベッドをギャッチアップして状態を挙上する。栄養剤投与後の状態を観察する。排便状況などにも注意する。
教育計画 E-P 栄養の大切さや胃瘻の必要性について患者さん、家族に説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
意識障害や嚥下障害により自力で食事を摂取できない
看護目標
必要なエネルギーや栄養素を摂取することができる
観察計画 O-P
原疾患の治療状況、今後の経過
意識障害の程度、推移
嚥下障害の程度、推移
運動障害、感覚障害の有無、程度
下痢、便秘の有無、程度
腹部状態(膨満感、圧痛など)
カテーテル挿入部の感染徴候
リハビリの状況
必要な摂取エネルギー量
脂質、糖質、タンパク質の摂取状況
患者の変化に対する家族の認識
検査データ(TP、Alb、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRI、脳波など)
援助計画 T-P
医師の指示にもとづく栄養剤の使用する
必要に応じて栄養投与前後で吸引を行う
投与前にベッドで適切な角度へギャッチアップにする
必要に応じて、排便コントロールについて検討する
必要に応じて、血糖コントロールについて確認する
教育計画 E-P
必要応じて意識状態や嚥下機能と胃瘻の関係性について説明する
状況に応じて家族へ栄養について説明する