不整脈(心房粗動)のある患者さんへの看護計画|カテーテルアブレーションを実施する患者さん
- 公開日: 2024/3/30
心房粗動でカテーテルアブレーションを実施するために入院した患者さんに対する看護計画
心房粗動とは心房で持続する規則的な電気刺激によって生じる不整脈で、そのままの状態が続くと心機能の低下リスクや、血栓が生じる可能性があり脳梗塞の発症リスクが高くなります。そのため薬物療法として抗不整脈薬を使用する場合もあれば、非薬物療法の一つでカテーテルアブレーションを実施することもあります。今回は心房粗動に対してカテーテルアブレーションを実施するために入院された患者さんに対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 心電図など不整脈の症状に関する情報を収集する。検査値は心筋の状態を見るもの、血栓に関するもの、心筋に影響を及ぼすホルモンなども見ておく。現在の治療の状態などを確認する。日常生活に影響が出ているかどうかを把握しておく。
援助計画 T-P 心拍数の上昇に伴い心筋酸素需要が増加して心機能が低下する可能性があるため、心筋酸素需要を抑えた介入を検討する。患者さんの症状に合わせた環境整備を行う。心電図をモニタリングしておく。
教育計画 E-P 疾患について説明する。不安なことがあれば、いつでも話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
心房粗動で心機能低下リスクや脳梗塞の発症リスクがある
看護目標
症状が発症することなく生活することができる
観察計画 O-P
胸部症状(動悸、胸部不快感など)の有無、程度
心電図の波形(モニター、12誘導、継時的変化)
皮膚の湿潤、冷感、蒼白の有無、程度
運動障害や感覚障害の有無
内服コンプライアンス
食事摂取状況(摂取量、内容など)
排泄状況
体重の推移、In-Outバランス
睡眠状況
検査データ(PT-INR、BNP、トロポニン、K、Hb、甲状腺機能など)
画像データ(心エコー、胸部X線レントゲンなど)
援助計画 T-P
心筋酸素需要を抑えたかかわりを行う
モニター心電図の波形を継時的に確認する
自覚症状やADLに応じた療養環境を整える
医師の指示に基づく薬剤投与、酸素投与を行う
教育計画 E-P
心房粗動に関連する症状を説明する
必要に応じてレートコントロールやリズムコントロールの必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護記事を書くときに参考にしたい記事
心電図でみる心房粗動(AF/AFL)の波形・特徴とは?
第6回<読み方・対応編④>心房粗動(AFL)
第34問 心房粗動において次の条件のときにみられる異常波はどれか。